2019/01/24 Thu
ホンジュラス隊員
ホンジュラス隊員紹介②数学教育隊員
ホンジュラス隊員紹介第2弾!前回は、看護師隊員をインタビュー(記事はこちらから)しましたが、今回は分野を変えて学校現場で活躍される隊員をインタビューしました。ホンジュラス南西部に位置するラパス県の小中一貫校に数学教育隊員として活動されている伊藤遼さんです!
【①青年海外協力隊に応募した理由を教えてください。】
中学時代に「教師」に憧れ、大学の教育学部で数学を学びました。また、アメリカ留学、ロシアへ学生親善大使として市町村から派遣され、そしてJICE事業(※1)の一環でラオスへ派遣された経験をきっかけに「海外」へ興味を持ちました。そして、北海道で震災関係の支援に何度か携わったことから「ボランティア」にも関心を持ちました。そんな中、偶然訪れた青年海外協力隊の説明会で、「途上国で数学教育を行う」というこの国際協力の存在を知り、「数学教育」,「海外」,「ボランティア」と自分が力を入れてきた活動と重なるこの協力隊事業に深く関心を抱き、参加を決意しました。
※1:一般財団法人日本国際協力センターの略
【②ホンジュラスでの主な活動内容を教えてください。】
現在は、ホンジュラスの小中一貫校にて数学教師として活動し、主に中学生に数学を教えています。しかし、教員の質が日本と比較すると低いこともあり、自分の住む県の教員を対象に研修会などを開催し、知識強化研修や教育レベルの底上げを行っています。また同じホンジュラス国内で活動する算数・数学教育隊員でチームを組み、国内研修の開催、問題集や共通テストの作成・実施や、教育省の方に向けたプレゼンなど、直接国の教育と関わる活動などにも携わっています。
【③日々の活動を通じて得られるやりがいは何ですか?】
ホンジュラスに派遣される前は、0から始めた覚えたてのスペイン語を使い、調べれば「治安の悪さ」が多くでてくるホンジュラスで、経験の浅い教師として活動していくことに不安を感じ、眠れずに出国の日を迎えたのを覚えています。しかし環境に飛び込み、失敗や苦悩しながらもなんとか一つ一つやり遂げていく経験を重ねていくうちに、少しずつ「とりあえずやってみれば、なんとかなる」と思えるようになってきました。この実体験から生まれた価値観は、何か新しいことに取り組む上で自分の背中を後押ししてくれるものとなりました。結果、様々な活動を行っていくたびに自分の心身に変化を感じ、やりがいを感じています。
【④ボランティア活動を終えた帰国後の進路を教えてください。】
小・中・高、そして大学も教育学部に入り、ずっと「学校」という枠組みの中で育った自分は、日本の教員以外の選択肢も情報も持っていませんでした。しかし、今この国で幅広いジャンルの日本人と交流を深めていく中で、将来に関する様々な情報を得ることができ、将来の選択肢が広がり始めています。その中でやはり自分は「海外」に興味・関心があることがわかりました。この先は、いくつかの選択肢の中から海外で暮らしていく道、または日本にいながら海外と関われる道に携わろうと考えています。
【⑤青年海外協力隊を目指す人にアドバイスをお願いします。】
「国際協力をしたい」,「貧困地域を支援したい」という国際貢献、他者貢献を胸に秘めて協力隊を決意した人もいれば、自分の場合「自信のない自分を変えられたらいいな」と自分のために海外渡航を決意しました。いろんな目的があって良いように思います。生まれ育った国を離れ、異文化で長期間暮らしていくと、今まで母国をベースにして培ってきたアイデンティティと、異文化の全く異なる価値観との間で衝突が起こり、疑問を抱き、「自分自身を根底から見つめなおす」という経験ができます。その中で考え抜いた結論が、本当に自分のしたいことなのかなと思います。 協力隊を目指されている方の目的が何であれ、2年間一生懸命、発展途上国のために自分の使命を全うしようと奮闘する経験は必ずこの先の人生の糧になると思います。少しでも興味があれば、この協力隊事業を心からお勧めします。頑張ってください。
伊藤さん、ありがとうございました!次回のホンジュラス隊員紹介もお楽しみに!
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