2017/07/08 Sat
人 文化 活動
地域の障害児に光を!プロジェクト始動!!~ガーナのコミュニティの現状は?~
メマモアチ!!(チュイ語で皆さんこんにちは)ガーナでは雨季となり(6月執筆)水の確保に苦戦することも少なくなり雨は天の恵みだと心から感じます。
今回は前回の記事でお話させて頂いた私の活動の一部であるプロジェクトの詳細に関してお伝えさせて頂きたいと思います。
私は現在義肢装具センターにて理学療法士として患者さんの診療を行いながら配属先で以下のプロジェクトに関わっています。
●コミュニティの巡回診療の継続
●脳性麻痺専門クリニックの開設
●デイケアサービスの開設
※プロジェクトの立ち上げに至った経緯に関しては前回の記事をご覧ください。
今回はすでに動き出している”コミュニティの巡回診療”に関してご紹介させて頂きたいと思います。様々な事情でセンターに来られない人がいるのではないか?という疑問からコミュニティを歩いて調査することから始めました。幸運にも配属先のDirectorの紹介で近くのクリニックに勤務するコミュニティヘルスナース(地域レベルで予防接種や検診をするナース)と出会い一緒に活動をすることとなりました。
活動は週に一回センターから歩いていける範囲を回りひたすら「障害で困っている人はいませんか?」と聞いて回りました。そして見つけた患者さんの名前や自宅の場所をリスト化し少しづつ患者さんを増やしてきたのです。そうして始まった巡回診療も1年半以上となり総患者数は30名程になりました。私は2017年12月に任期が終了するのですが、それを見据えて巡回診療を現地スタッフに引き継ぐために現在は活動しています。
具体的にはプロジェクトが始まった経緯や趣旨、対象患者等をガイドラインとして残す事。もう一つは配属部署の5人のセラピストに巡回に参加してもらい任期終了までに責任者を決める事です。現在は5人のセラピストに順番に巡回に参加してもらい、任期終了後に彼らに引き継いでもらう為、共同で診療をしています。
ガーナのコミュニティではまだまだ悪魔や魔女が病気を持たらすという様な信仰は根深く、病院に行かずに呪術師や宣教師を訪ねることが多く見られます。また(なぜか?)人々はどんな病気であっても魔法のように1日で治ることをいつも信じています。そのため医療者がいくら病気の予後や治療の経過等を説明しても注意事項が守られないなどせっかくの治療が無駄になるのです。
また特に障害児は“邪悪な存在”として家の中に隠されたままでいることもあります。
こういったガーナ特有の背景から“巡回診療”という形式はガーナのコミュニティに合っていると感じました。治療だけでなく巡回によって“教育”と“医療に対する信頼”を与えることが必要なのだと感じています。
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