JICA海外協力隊の世界日記

笠戸丸の風

第5話 サンパウロのピラルクー料理

先日、私の配属先であるサンパウロ人文科学研究所の新年会&送別会がありました。

当所で受け入れているブラジル側と日本側の研究員が2月と3月にそれぞれ帰国するので、その人たちの送別会です。

会場は、サンパウロのレストランにしては珍しい川魚料理専門の店。当所の理事の旦那さんが経営しているお店です。

今回は、理事のOBが以前から食べたいと言っていた、ピラルクーの丸焼きがメイン料理。

ピラルクーってご存知ですか?

アマゾン川流域に生息する世界最大級の淡水魚の名前です。大きいもので体長3メートルを超えるとか。

詳しくはネットで検索してください。

ピラルクーは食用として美味しく、白身の肉で身が絞まっていて淡泊です。

私は25年前にブラジルに旅行に来た時、マナウスでツクナレ・ピラルクーという料理を食べました。

簡単に言うとピラルクーの切り身のムニエルです。

あっさりとした身で、塩コショウで味付けしてあり、美味しかったことを思えています。

また、鱗や舌は乾燥させて爪を研ぐヤスリとして、ブラジルの土産物屋で販売しています。

上記の写真は、去年12月にこの店に行った時、お店の主人から頂いたものです。

爪を切った後、使ってます。

このピラルクーをバナナの葉に包み、丸ごと蒸し焼きにする料理があります。

近年はピラルクーの養殖に成功し、マナウスまで行かなくてもサンパウロで食べられます。

しかも、養殖を成功させたのは日系人とのこと。

色々と調べたのですが、いつごろ何処の誰がは、今のところまだわかりません。

さらには、アチバイア近辺で日系人のピラルクー養殖業者が増えているとのことです。

私は数年前に、明治時代に千葉県内の東京湾岸で行われていた牡蠣やウナギ・鯉等の養殖の歴史を調べたことがあるので、養殖の歴史には若干興味あります(笑)。

さて、肝心のピラルクーの丸焼き。

今回のものは、体長は約120センチ。重量は約12キロ。

【2枚目の写真参照】(我ながらバカですね~ 笑)

食べ方は、ピラルクー切り身とマンジョカの粉(キャッサバ芋の粉)に、特製ソースをかけて食べます。

これだけでは、あっさりしているので、好みによってはさらに塩で味付けが必要かも。

ちなみに、この時の会には17人集まりました。それでも、かなり残りました(笑)。

残りは分けて参加者でお持ち帰り~。

そしてピラルクーの頭は、コラーゲンが豊富なので、煮込んでスープにすると美味しいとのこと。

【3枚目の写真参照】

料理が得意な理事が持って帰りました。頭だけで約3キロの重さがあるそうです。

このように食べても美味しい、また鱗や舌は民芸品になるというピラルクーの養殖を成功させたのが、日系人とは嬉しい限りです。

このことは、今後日系人の業績の一つ、さらには日系人の歴史の1頁になると思います。

そのためには、養殖に取り組んだまでの経緯や、エサは何を与えているのかや・またその仕入れ先、年々の出荷状況などを記した資料があるといいのですが。

養殖だけに、シリョウ(資料・飼料)が大事になります。

お後がよろしいようで。

それではまた

 ~笠戸丸の風を受けて~

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