JICA海外協力隊の世界日記

モナスティール de ピアノレッスン ~チュニジア便り☆彡

#4 思い出その1♪ covid-19で緊急帰国する前、2カ月間の活動

*写真は2020年2月に撮影しました。

お久しぶりです。

昨年、2022年8月2日に任期を終えていますが、隊員だった頃の思い出、また書きかけだった文章を完成させて、少しでも記録に残しておこうと思い、パソコンに向かっています…

もう約3年前となるのですが、covid-19感染拡大の影響で緊急退避帰国する前の2カ月間の活動をシェアしたいと思います。

私が赴任したのは学期途中の2019年1月でした。そのため、同僚3人から計22人の生徒を譲ってもらうところからスタートしました。2週間の引き継ぎ期間中、私はレッスン見学や同僚と一緒に生徒を指導をしていきました。

またその頃は中間試験が行われていたので、生徒をどのように評価していくのかも見せてもらいました。レッスン中に生徒が仕上がっている曲を弾き、10月から1月までの進み具合を同僚が点数で評価していました。

初心者の生徒まで点数で評価する方法には、正直とまどいました。しかし、「先生、私何点だった?教えて~」と小学校低学年の生徒が、女性の同僚に甘え口調で聞いている姿を見て、ここでは当たり前なんだ、とカルチャーショックを受けました。

*年に1度、音楽院のホールで開催されるピアノ発表会(2020年2月末)。生徒たちがグランドピアノ(2014年にJICAから供与)で演奏していきました。

そして2週間の引き継ぎ期間が終わり、その2週間後には初級、中級の生徒向けの発表会が開催されました。

全員の生徒が演奏できるわけではなく、バッハのメヌエット、簡単なソナチネが弾けるレベルに達していることが条件で、各教師が最大5名程度の生徒を選ぶ、選抜制の発表会でした。

女性の同僚はシンプルなメロディーを両手で弾いていく初心者用の曲を1人の生徒に準備していましたが、校長から、この曲ではだめ、と却下されてしまったそうです。その曲の難易度が発表会で求められているレベルより低いものだったからでしょうか。

「5月末の期末試験で私たち教師の前で演奏するのは、緊張するからね。発表会で事前に慣らしておくのさ。」と一人の同僚は言っていました。

純粋な生徒たちの発表の場というよりも、試験前の慣らしなのか~、と少しがっかりしたのを覚えています。

残り2週間で、大きな進展を生徒に与えることはもちろん無理です。そのため、引き継いだ22人から発表会に出演できる条件がそろっている生徒を確認したところ、2人のみでした。

そのうち1人の生徒は5年間ピアノを習ってきましたが、今まで一度も発表会に出演したことがなく、今回が初めての発表会でした。

当日は同僚と演奏する生徒の名前と曲名のリストを見て、生徒の演奏する順番を決めていきました。演奏順序を事前に決めてプログラムを印刷するというようなことはしませんでした。

私が指導して発表会で演奏した生徒2人は、恥ずかしがり屋な性格ですが、がんばって皆の前で最後まで弾き終えることができました。生徒達にとっても、また私にとっても初めてのチュニジアの発表会ということで良い経験となりました。

ちなみに昨年2022年2月(この文章をかいていた頃…)は、covid-19感染拡大の影響で発表会は行われませんでした。

*発表会に向けてヴァイオリン同僚教師、ヴァイオリン専攻生徒とリハーサルをしている写真です。

校長の提案で2020年3月中旬のヴァイオリン発表会で私は7人のヴァイオリン専攻生徒のピアノ伴奏をしました。

リハーサルの時間を通して同僚と関係を深めることができ、赴任して初めて、小さい達成感を得ることができました。

ですが発表会の翌日からcovid-19感染拡大の影響のため、音楽院が休校になり、私も急遽日本に緊急退避帰国となり、この発表会がcovid-19前の最後の活動日となったのでした。

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