2017/11/12 Sun
教育 文化 活動 音楽
生徒全員が楽しめる音楽会をめざして
「来年は、西洋音楽を選択している全ての生徒が参加できる音楽会をやりたいと思うの。」
教育省の西洋音楽課長である私のカウンターパートがある日言いました。
スリランカには、彼女が存続に尽力している全国青年オーケストラでクラシック音楽を奏でることができる生徒がいる一方で、学校に楽器が1台もなかったり、まだあまり普及していない西洋音楽の先生を多く採用するために東洋音楽を学んできた先生も西洋音楽の先生としても採用するため、ドレミの楽譜をすらすら読むことが難しい先生も少なからずいらっしゃったりする状況です。都市でも学校差が大きいですが、都市の学校と地方の学校差はさらに大きいです。
教育省では、例年合唱や器楽合奏などの音楽コンクールを開催してきましたが、彼女はそれまでも、コンクールでは一部の生徒だけが鍛えられ、1位を取れた生徒だけしか喜ぶことができないと考えられ好きじゃないとは言っていました。
また、授業の内容は難しい理論や座学が中心なので、「もっと音楽を楽しんでほしい。」と私も言い続けてきました。
新しいことを始めることは、日本より難しいように感じるこの国で、挑戦されようとしていることが理解できます。私の任期が終わるまでに全国各地で開催したいと言われます。これは私も頑張らないわけにはいきません。
先生も生徒も全員の底上げをするため、ハレルヤコーラスはじめ、器楽曲も、演奏しがいがあり、演奏できた時にある程度満足感が得られそうな曲を選びました。どうしても難しくなってしまうので、少し簡単にアレンジした上、さらに簡単に演奏できるパートも作成。そして、伴奏や各パートの音を全て録音して、先生の個人練習や教室での練習にそのまま使ってもらえるように準備し、先週までに全国の先生方を対象にした練習会が終了しました。
ここまででもかなり大変でしたが、この先がもっと大変になることは大いに予想されます。でも、ちょっとハモって「きれい!できた!西洋音楽って美しい。音楽って楽しい。」って、先生にも生徒にも思ってもらえたらとても嬉しいです。
写真は2ヶ月前に行われた、全国青年オーケストラ25周年記念演奏会。一人でも多くの子が、オーケストラの演奏をバックに、満足感もって歌えたらなぁと願います。どこまで実現できるのかなぁ…。
授業で使いやすい楽譜集があったらなあ…と思うので、スリランカの学習内容に合った楽譜も作り続けています。授業案と一緒に残していきたいです。
任期は後8ヶ月をきりました。心ゆくまで活動を楽しみたいと思います。
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