JICA海外協力隊の世界日記

パナマ日和

パパが来た!~ワールドユースデ―~

今年の1月末にはパナマでワールドユースデー(世界青年の日 西語: La Jornada Mundial de la Juventud (JMJ))が開催され、ローマ教皇が来訪されました。

ワールドユースデ―とは、約1週間にわたって行われる青年カトリック信者の年次集会で、世界各地から青年カトリック信者数十万人が集まります。過去にローマ法王がパナマに来たことはあるそうですが、ワールドユースデ―が開催されるのはパナマもとより中米史上初でした。

世界中の青年カトリック信者が集い、自国の旗を掲げて誇らしげに歩く姿、そして、他国の信者たちと共に歌い、称えあい、抱擁し合う光景には鳥肌が立つほど感動しました。世界中で他国をけん制し合うニュースが流れる今日この頃、この時の1週間は、それが幻であったかのように、お互いの国を尊重し合う姿はとてもキラキラと輝いていました。

パナマは約8割の人々がカトリック信者であり、私の配属先のスタッフも多くがカトリック信者です。しかし、当施設は本イベントに関する仕事が盛り沢山であったため、調理師さん達は1週間強、ほぼ寝ずの大仕事。ローマ教皇が大衆の前で説教やミサをした際にも彼らは聞きに行くことができませんでした。そんな状況でも、「温かいスープ食べなさい。あなたの分とっておいたわよ。」と、外出から戻ってきた私に、温かなサンコーチョ(パナマのチキンスープ)を注いでくれた調理師のオーマイラーさん。ローマ教皇はカトリック信者からしたら神のような存在でしょう。それでもどんなに寝ていなくて疲れていても温かなスープを注いでくれた彼女の優しさには頭の上がらない思いでした。

また、ローマ教皇が出国する日、パナマの子ども達に祈りを捧げる瞬間がテレビで映っており、スタッフと共にその様子を見ていたところ、偶然にも以前、当施設にいた女の子が映っていました。彼女は治療を終えて、無事に当施設を卒業したわけですが、元気な姿で、ローマ法王からおでこにキスをされて照れ笑いをしている姿をスタッフと共に見た瞬間は今でも忘れません。

このワールドユースデーの日々をパナマで過ごせた時間は、私の人生の価値観を変えてくれたと言っても過言ではありません。

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