JICA海外協力隊の世界日記

エジプト地中海ぐらし

同僚であり、トモダチ!!

こんにちは

今日は僕の同僚を紹介したいと思います。

僕はEJS(エジプト日本式学校)という学校で体育隊員として活動しています。

EJSは日本式の教育を子どもたちに提供することを目指して日々活動しています。しかし、現場の先生たちが日本式で授業をすることは難しいです。そもそも日本式教育とはなんでしょう。

僕もエジプトに赴任した当初「日本式教育とは?」と聞かれても、すぐには答えられませんでした。エジプトで教育を受けてきた先生たちにはなおさら難しいことでしょう。そういった先生たちのサポートをするのが僕の仕事です。

僕は今、エジプトの地方にある学校で、体育の先生のムハンマド先生と一緒に働いています。

今回は僕の同僚であり、愛すべき友人であるムハンマドを紹介しながら、彼と今まで過ごした1年を振り返りたいと思います。

まずは、ムハンマドの簡単な紹介から。

ムハンマドは僕から「ムハンマド先生」と呼ばれるのを嫌います。

僕が「Mr. ムハンマド」や「あなた」の丁寧形で呼んだりすると、「やめてくれ、兄弟、ただ『ムハンマド』でいいんだ」と言ってきます。

ムハンマドはとても陽気で明るくてお茶目です。女性が多い職場ですが、ムハンマドは誰とでも分け隔てなく、いつも楽しくおしゃべりしています。

休み時間には、体育館で僕に陽気なダンスを見せてくれます。

僕がムハンマドを褒めると、「俺は、お前のアニキだ!がはは!」といい気分になります。

ムハンマドは明るくてお茶目です。

僕とムハンマドが初めて会ったのは去年の12月でした。

初めての出勤日、寒くて暗い朝、来るか来ないかもわからないバスを待って初めて会った先生と一緒に2時間かけて、学校に到着しました。

ご飯を忘れてきてしまった僕に、ムハンマドは自分のご飯を分けてくれました。そのときの何気ない優しさを僕は今でも覚えています。(今では毎日ご飯の交換をして楽しく食べてます)

12月31日にはムハンマドの妹の結婚式に招待されました。初めての経験でしたが、とても楽しく過ごせました。

結婚式の前にはムハンマドの家でご飯をご馳走してもらいました。そのとき食べたご飯がとても美味しかったのを覚えています。

2月には、ムハンマドの結婚式がありました。ムハンマドの家でご飯を食べ終わった後、僕は用意してきた手紙を読み上げました。僕はこれまでのことを思い出して涙を堪えながら読み上げました。僕のスピーチをムハンマドのお母さんも叔母さんも頷きながらよく聴いてくれました。

ムハンマドはというと、「オッケー。ありがとな」の一言のみでした。

ムハンマドは明るくてお茶目です。

ムハンマドは勉強熱心です。

これまでの体育の授業では勝敗を強調していました。いつもチームを二つに分け、どちらが勝ちで、どちらかが負け。そこに何かを教える目的はありませんでした。勝ちチームは負けチームをバカにして、負けチームはお互いに「お前のせいだ!」と言い合っています。子どもはよく大声でケンカしたり、泣いたりしていました。取っ組み合いのケンカも少なくありません。

また、途中で試合を放棄したり、勝手に教室へ帰ってしまうこともしばしばありました。

さらに、ルールが明確ではありませんでした。審判は曖昧で、子どものための試合なはずなのに大人が軽い気持ちで乱入してゲームを乱し、帰っていく光景も見られました。

ムハンマドはこのような状況を変えていきました。チームメイトも相手チームもリスペクトすることを教えました。

また、ルールを明確にして、子どもたちにはそれを守ることの大切さを説きました。

「規律と協調性」です。

徐々に子どもたちに変化がありました。

試合に負けたけど、グッと堪える子がいました。悔しいけど、誰かを強く責めたりせずに、自分の心を落ち着けるようにがんばっていました。

その子を見つけ、全体の前で褒めました。

勝つことも負けることもあるけれど、ゲームの過程でがんばったなら、それはえらいことだと伝えています。勝ちチームのことも負けチームのことも褒めています。

ムハンマドは僕より年上で、教師をやっている年数も僕より長いです。

だけど、「なあ、今日の授業どうだった?いいと思った?」と僕の意見を聞いてくれます。

ムハンマドは勉強熱心でお茶目です。

僕はあと1年で帰国です。

僕はムハンマドが抱えている困難を一緒に解消したい。授業作りで困っていることがあれば、手を貸したい。

実際、「日本式の授業をやりましょう」と言っても、日本の授業を見たことない人がこれを目指すのはかなり困難だと思います。

彼らはすごいプロジェクトに挑戦している。そして日本の教育に敬意を示してくれている。

僕は、僕の学校の先生や子どもが好きだし、ムハンマドは同僚であり、友人です。

どうか僕が帰国する前に、少しでも彼らの力になりたいです。

明日からも、また頑張ります!

この記事をムハンマドに見せると「ベリーベリーグッド!!」と言って他の先生にも自慢していました。笑

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