JICA海外協力隊の世界日記

エジプト地中海ぐらし

E-JUST×EJS! 日本文化ワークショップ!!

5月14日

E-JUST(エジプト日本科学技術大学)の大学生たちが私の配属先であるEJSに来てくれて、日本文化ワークショップを開催してくれました!

E-JUSTは日本の協力のもと設立された大学です。

E-JUSTには私の同期隊員が一人配属されています。

彼の名前は安全管理上、お伝えすることができません...しかし、この日記に何回も登場するので呼び方を決めたいと思います。

ホンマさんと呼ぶことにします。

呼び方なんてなんでもいいのですが、A隊員やB隊員というのは味気ないし...

He(彼)She(彼女)などと性別で区別することは、ここの日記の上では意味がないし......

だったら、Theyがいいでしょうか。いいえ、ゼイ隊員は呼びづらいです。

そこでホンマ。文字にすると(هم

アラビア語でThey(彼ら)という意味です。なぜだか、しっくりきます。

時間はさかのぼり、去年の2月。ホンマさんと私はアレキサンドリアの海にいました。

寒空の下、荒れた地中海を見ながらホンマさんは私に言いました。

「日本で出会って、一緒に語学を勉強して、気づいたらエジプトの田舎に住んでる。不思議だよな」

私にはホンマさんの横顔しか見えませんでしたが、ホンマさんの目はとても輝いていました。

ホンマさんは続けます。

「おれが活動しているE-JUSTと(私)が活動しているEJSで一緒に何かしたいんだ。

E-JUSTは日本型の工学教育が取り入れられている大学で、EJSは日本式教育が取り入れられている小学校。そして、場所も近い。なのに、まだ交流が少ないんだ。

E-JUST側もEJS側も交流に前向きなのは事実。だけど、管理している省庁が異なるから許可取りが難しい。

子どもや学生のための学校なのに、大人の理由で拒まれることなんてあってはならないよ。」

2月の海風はまだ冷たかったことを覚えています。

それからというもの、ホンマさんは私に会うたびにE-JUSTとEJSの交流について話してくれました。

今年の4月になり、ホンマさんがいよいよ本格的に動き出しました。

学生一人を連れて、私の活動先のEJSを訪れてくれました。

EJSの校長、副校長、私、E-JUSTの代表学生一人とホンマさん。

応接室に入り、会議が始まりました。ホンマさんがいつもより緊張しているのがわかります。

代表の学生をホンマさんがサポートしながら会議は進みます。

プレゼンは好調です。校長も前向きに聞いてくれました。

無事に会議は終わりました。束の間、ホンマさんはワークショップの準備に入ります。学生たちとワークショップの練習をします。ホンマさんは休む間もありません。

そして本番...

よく練習したことが伝わるワークショップです。

内容は

・E-JUSTの紹介 ・おり紙 ・切り絵 

・紙芝居 ・カルタ ・日本語教室 

とバラエティに富んでいました。

学生たちが先生役となり、各クラスを担当していました。

どれも人気でしたが、中でも特に子どもたちにウケていたのは、カルタと日本語教室でした。

カルタにはアラビア語版と英語版、日本語版がありました。子どもたちは必死に札を取り合っていました。

このカルタはなんと、E-JUSTの学生サークルが作ったそうです。

カルタの出来栄えも、子どもたちの反応も、クラスの運営も文句のつけどころがありません。

こんな素敵な時間を作るために、一体どれほどの準備が必要だったのでしょう。

日本語教室も大盛況でした。もちろん、先生役は学生の皆さん。

「おはよう」「こんにちは」「ありがとう」などの簡単な日本語を教えてくれました。

それからというもの、日本語で挨拶してくれる子どもが一気に増えました。

「日本語を教えてほしい」という要望は、実は他のEJSの保護者からあがっていました。

子どもも、EJSで働く教師も日本語への関心は非常に高いです。

先生役を務めてくれた彼らは、普段は忙しい学生です。もうすぐテストも近いと聞きました。

なのに、慣れない日本語を、初めて訪れる小学校で教える。

本当によく練習してくれたのだと分かり、頭が下がります。

E-JUST×EJSの日本文化ワークショップは大盛況のうちに終わりました。

子どもは学生の皆さんに笑顔で手を振って帰って行きました。

その後、学生たちと校長はE-JUSTとEJSの交流について意見交換をしていました。

これまで、ほとんど交流がなかった大学の学生と小学校の校長がお互いの将来を考え始めています。

子どもたちに日本文化を紹介してくれた学生の皆さん、

今回のワークショップを快く受け入れてくれた校長先生

本当にありがとうございました。

さて、今回先生役を担ってくれた学生たちはどのようにして日本文化に親しみ、他の小学校でワークショップを行うくらいのモチベーションを保ちながら学んでくれたのでしょう。

答えはもちろん、ホンマさんのおかげです。謙虚な性格のホンマさんは「皆のおかげ」と言うでしょうが、今回の企画は間違いなくホンマさんの成果です。

話によるとホンマさんは、去年の3月に企画書を書いて、同僚に何度も相談していたそうです。構想1年。協力隊の任期が2年であることを考えると、とてつもなく長い時間をかけたことが分かります。

ホンマさんは、私が知らないところでずっと準備していました。

自分でやった方が簡単な日本文化ワークショップも、学生主体で行いました。今後の交流や学生に経験を積ませることを考えた結果です。

日本文化アクテビティを学生に教えて、学生が教えられそうなアクティビティを精査する...

内容作りと並行して、上司や学長、教育技術教育省といった省庁にも連絡を取る...

同期隊員である私を通して、EJSの校長との会議を設定する…気の遠くなる作業です。

ホンマさんはエジプトの大学生と小学生のため、活動しています。

何が成果なのか、自分がその国にいることの意味すら、私たち協力隊員は時々わからなくなってしまうことがあります。

でも、今回の学生の頑張りと、子どもたちの笑顔、そしてE-JUSTとEJSの交流はホンマさんの成果です。たった一人の協力隊員がたくさんの人を巻き込んで、たくさんの人を笑顔にしました。

EJSの子どもたちに代わって、お礼を言いたいです。

ホンマさん、ありがとう!

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