JICA海外協力隊の世界日記

ミクロネシア日記「ことこと」

われらは「ミクロネシア」のボランティア

7月中旬に、ボランティア総会がありました。

ボランティア総会では、ミクロネシアで活動するボランティアが一同に集まります。活動の情報交かんなどを通して、自分の活動をふりかえり、今後の活動につなげていこうという目的で、半年に一度開かれています。

ミクロネシアという国は、4州に分かれているので、州がちがうボランティアとは、この総会くらいでしか会える機会がありません。首都のあるポンペイ州に、コスラエ州、チューク州、ヤップ州のボランティアさんたちがやってきます。半年の間元気だったかと、久しぶりに顔を合わせたメンバーで話をするのも楽しみのひとつです。

さて、今回の総会では、企画や準備を取り仕切る幹事の仕事をさせていただいたので、いろいろと学ぶことが多かったです。伝えたいことはたくさんあるのですが、ここでは最終日に企画した「ワールドカフェ」についてしょうかいします。

みなさんは、ワールドカフェという言葉を聞いたことがありますか。

ワールドカフェというのは、ディベート、KJ法というような、話し合いのひとつの方法です。この話し合いで大切なことは、カフェのようにくつろぎながら、会話を楽しむこと。4人くらいの小グループに分かれて、テーマに沿って話し合いを進めていきますが、結論を必ず出す必要はなく、かた苦しい会議のような雰囲気はいりません。今回、そのファシリテータ役をさせていただきました。ファシリテータの役目は、参加する人の話し合いをより引き出すこと。……何だかまじめに考えるときんちょうする役ですが、この企画をすることがとにかくわたし自身も楽しみだったので、カフェの店長になったつもりで進めました。

テーマは、「相手に自分の思いや考えを伝えるためには」

コミュニケーションについての話題です。

電話やメール、手紙など、いろいろな手段があるけれど、どれを選ぶ?と話しているグループや、

もしもこんな場面だったらどうやって伝える?とシュミレーションしているグループ、

こんなことですれちがってしまうことがあるよね、と悩みを打ち明けているグループなどさまざまです。

とちゅう、「では、ミクロネシアで自分の思いや考えを相手に伝えるためには」と条件をつけ加えて話し合いを再スタート。半年に一度しか会えないわたしたちミクロネシアのボランティアですが、任国のためにできることを真けんに考える時間になりました。

ファシリテータをしながらふと思い出していたのは、教え子たちのこと。

学校の先生もある意味ファシリテータだと思うのですが、一生けん命自分の考えを発表したり、友だちの考えを聞いたりしながら、日々新しい発見をしていく子どもたちの姿を見ることが、何よりの喜びでした。

スポーツ選手やアーティスト、芸能人のように、自分自身が光りかがやく仕事もとてもあこがれるのですが、

先生のように、いかに相手を光りかがやかせていくかを考えるような仕事が、わたしはとても好きです。つたないながらも、ワールドカフェの店長を今回務めながら、「あぁ、また授業がしたいな!」と思いました。

最後に、この総会を通して、「ミクロネシア人としてのアイデンティティ」を現地の人がもてるように、他州とも力を合わせて活動していきたいと強く思いました。この国では、同じミクロネシア人といっても、州がちがえば、言葉も文化もちがいます。だから、わたしもそうだったのですが、「ミクロネシア人は、」というよりも、自分たちが住んでいる州をさして、「ポンペイ人は、」、「コスラエ人は、」ということの方が多いです。自分の州をほこりに思うことももちろんすてきだと思いますが、同じ国として、ミクロネシア人として、他州といろいろなアイディアを共有できれば、ミクロネシアという国が、さらに発展していくのではないかなと思いました。

今回の総会で、ミクロネシアのボランティアみんなでミクロネシアの将来を考えることができたことは、ほんとに貴重な機会でした。

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