JICA海外協力隊の世界日記

ミクロネシア日記「ことこと」

引き出し

長い長い夏休みが終わり、8月下旬に新学期が始まりました。写真はピッカピカの1年生!きょとんとわたしを見ている目がとてもかわいかったです。最近ようやく1年生の子たちにも名前を覚えてもらいました。

さて、わたしにとっては、今学期は2年目のスタート!去年の新学期は、文化が違うことだらけなことに圧倒されて、このまま何もできずに時間が過ぎ去ってしまうのではとなぜかひとりであせっていたなぁとしみじみ思い出しました。

今年は、4クラスだった2年生が、やっぱり人数多いからクラス増やしましょう!と新学期一週間後に5クラスに変わったり、放課後3時にプレゼンするよと先生たちに呼びかけて3時にそろわなかったりしましたが、「うん、あるある。」と受け入れ、その時その時に次の手を考えるようになりました。

こちらは、2年生のカウンターパート(活動のパートナー、JICAボランティアと一番近くで働く人)のラファイラ先生。ラファイラ先生は、先日の教育局のワークショップで、英語の歌に合わせてダンスをするアクティビティーがおもしろかったそうで、早速子どもたちと試していました。ジャンプしたり手をたたいたりするので、子どもたちも楽しそう。何より、ラファイラ先生も楽しんでいるので、クラスがえで緊張気味だった子どもたちの表情も明るくなりました。

今年度は、このラファイラ先生のクラスと、1年生の5クラスの授業のサポートを中心にしながら、他にもいろいろなクラスを巡回する予定です。来年の3月に帰国なので、活動期間も残り半年くらいになりました。(秋募集で後任要請も出ていました!)今年度の活動で心がけていることは、「引き出しをたくさんもって、タイミングを見計らうこと」です。以前にも書いたことはありますが、こちらでは予定通り進むことはなかなかありません。現地の人たちはそれをすんなり受け入れて、臨機応変に対応できるのですが、日本人のわたしはどうしても計画を立てて、しっかりやるところはやりたい。その場の思いつきだけで活動はしたくないからです。うまく言葉にはできないけれど、その思いだけは、郷に従うとか文化を受け入れるとはまた違う気がする、どうしても消えない気持ちでした。こうして今までもんもんとしながら、そして何度も失敗しながら思い立ったのは、「引き出しをたくさんもつこと」です。

例えば一年生のあるクラスにサポートをしに行くとき、「今日は10までの数を理解することだから、時間が余ったら数のカードゲームをしよう!」と思いながらクラスに行く。けれど、子どもたちの様子を見て、ものをひとつひとつ指で数えるところからまだ理解していない子がたくさんいたら、数ブロックを使ったアクティビティーに変更する。プランBをもっておくとよく聞きますが、引き出しをたくさん用意するということは、プランB1、B2、B3などいくつかのプランを考えておくイメージです。プランBも当てはまらなくなるくらい、予想外のことがよく起こるので。

その日のめあて、子どもたちの様子、先生が何を必要としているのか、時間配分など、いろんなことを加味して、引き出しから出すものが一番効果を発揮するタイミングを見極める。「今を大事にする」ってよく聞く言葉だけれど、それは、後先考えずに一瞬一瞬だけを楽しんでいることじゃなくて、いろいろな選択肢を考えた上で、「目の前にある今をよく見て、選択する。だから今が大切。」っていう意味にわたしは捉えたい。…とかっこいいことを言っても、まだまだたくさん失敗はすると思うので、周りの人に支えられながら頑張っていきます!

写真は、残りの任期でやろうとしているプロジェクトのプレゼンをやった後の記念撮影です。ローカルの人たちは写真に写るのが大好き。後ろの先生たちがさっぱり写っていなくて申し訳なく思ったのですが、おかまいなしにみんな大喜びでした。このプレゼンが始まるまでなかなか集まらず時間がかかったのですが、先に集まった先生たちにアイスブレイクをかねて、リサイクル用紙で、箱作りをしました。次の日、高学年の子どもが同じものを持っていたので、尋ねてみると、「担任の先生に教えてもらった!」と言っていました。…うれしい!計画通りにいかないことも多いけれど、こんな風に、予期せぬことがうまくいくこともあるあるの、残りの協力隊生活を楽しみます!

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