JICA海外協力隊の世界日記

ミクロネシア日記「ことこと」

本日のヒーローヒロイン

「ねぇねぇ、先生見て見て。」

 2年生のグロリーナ先生の教室。あちこちで聞こえてくる、生き生きとした子どもたちの声。自分の作品を先生に見せたくてしょうがない様子です。

ちなみに、これは算数の「かたち」の授業。この日は、「丸、三角、四角を使って、絵をかきましょう。」という活動でした。見本で、黒板に「三角と四角でお家」、「丸と三角で人」を紹介すると、子どもたちは自分の紙にみんなせっせとお家、人をかき始めました。その中でひとりだけ、違うものをかいていた写真のエルソン君。彼は、何をかいたかわかりますか?聞いてみると、「ソンピール」と答えてくれました。ソンピールという言葉が何だかわからなかったので、グロリーナ先生に尋ねてみると、ポンペイ語で「飛行機」という意味だそうです。すばらしい。わたしはあなたを探していたのだよ。自分の頭で考えて、表現したんだもの。最初のヒーローがここで誕生です!

グロリーナ先生にお願いして、エルソン君の作品をみんなに紹介してもらいました。

「うわー!」

みんなからほめられて、エルソン君は誇らしそう。飛行機の紹介が終わると、子どもたちの絵に変化が現れました。ぶた、アイスクリーム、携帯電話、ぼうし…。みんなこぞって、自分だけの作品を考え始めます。

忍者!なるほどねぇ。忍者3人組のアニメがあるそうです。

この時間は、一人一人が「本当に」考えている、大事な時間。本日のヒーローエルソン君は、「想像力を働かせることの楽しさ」をクラスのみんなに教えてくれました。みんなで学ぶことのよさは、こういうところにあると思います。

さて、この時は、グロリーナ先生と一緒に、子どもたちの作品をぐるぐる大忙しで見て回りました。グロリーナ先生は、「こんな風にかいている子もいるよ。紹介してみましょう。」といって、次々にいろいろな子の作品を紹介し始めました。

先生は、ヒーローヒロイン探しの達人なんです。

紹介されたヒーロー、ヒロインのうれしそうな顔といったら。「今度は自分の作品を!」と、未来のヒーローヒロインも、はりきって作品作りに集中しています。

子どもたちのやる気を引き出したのは、グロリーナ先生が絶えず子どもたちのことをよく見て回って、それを認めてあげたから。授業づくり、クラスづくりでとても大切なことだと思います。

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