JICA海外協力隊の世界日記

ブータンゆっくり散歩道

いまだに出せない答え

皆さんこんにちは!

今回は私がいまだに答えを出せずにいることを書こうと思います。
ぜひ皆さんも一緒に考えていただけたらと思います。

私はブータンのボランティアに参加する前に、日本で災害ボランティアに参加していました。
1回は西日本豪雨の災害ボランティアとして広島の坂町というところで、もう1回は東日本豪雨の災害ボランティアとして宮城県の丸森町というところで、それぞれ避難所の支援活動などを数週間実施していました。

災害ボランティアをしているとそこで暮らす被災者の方々に加え、全国から集まってくる多くのボランティアの方たちともお会いしたりその活動を目にしたりする機会があるのですが、その活動内容は様々でやり方も人それぞれです。
ある人は一日中泥の掻き出しに汗を流し、ある人は無償でマッサージを提供し、またある人は食事の支援をしたりと、それぞれができることで支援を行っていました。
これ、支援の仕方は違うものの、その根底にある「思い」は同じものだと思います。

このようなボランティア活動をしていると判断に迷う場面に出くわすことがあります。
私が実際に迷ったことをいくつか挙げると、
・個人を優先すべきか、集団を優先すべきか?
・自分の責務(またはできること)を優先すべきか、目の前の困っている方を優先すべきか?
などがあります。
そしてこれらの判断はその場で自分で決めなければならないことも多々あります。
それぞれ、その前提条件や周りの状況によって答えは大きく変わってくるのですが、私は迷ったら全体的に見て効果の大きい方、または影響の小さい方を選択するようにしていました。
これが正解なのかはわかりませんが、少なくとも私の中ではベストな考えでその判断を下しているわけです。

そのようなやり方をしていると、たまに他のボランティアの方と考え方に相違が生じ、文句を言われたりすることもあります。
それはその人が考えるベストな解決方法と私が考えるベストな解決方法に相違があるからなのですが、どちらもその根底には被災者や被災地を支援したいという思いがあり、アプローチの仕方は違えど方向性は同じはずです。

さて、ここで質問です。
ある避難所には50人の被災者が避難しているとします。
あるボランティアの方が善意でリンゴを1箱届けてくれました。この箱の中には20個のリンゴが入っています。
衛生上の決まりでリンゴを調理して配ることは禁止されています。
皆さんはこのリンゴをどのようにしますか?

・くじ引きやじゃんけんでリンゴを配る
・早いもの勝ちでリンゴを配る
・年配の方や子供たちなど優先順位を決めてリンゴを配る
・ルールを無視して調理して全員に配る
・不足分を自費で購入して全員に配る
・リンゴを持ってきてくれたボランティアの方に返却する

その他にもいろいろな考え方があると思います。
皆さんはどの決断が正しいと思いますか?

そして最後に、被災者の方たちは本当にそのリンゴを望んでいますか?

これ、ブータンでのボランティア活動も同じなんじゃないかと思っています。

では、また次回!

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