JICA海外協力隊の世界日記

さあやのザンビアタイム

#51 根系調査

Muli bwanji!(ムリブワンジ!)

ザンビアからこんにちは!

今日は配属先で行っている根系調査の様子を紹介します。

ザンビアに来る前、私は日本の研究所で稲の根に関する研究に関わっていました。

稲の地上部は目に見えるので、形や色、生育状況などの調査が比較的簡単に行えますが、地下にある根はに見えない分、調査が難しく、研究があまり進んでいないのが現状です。

私の配属先である研究所でも、これまで根に関する調査は行われていませんでした。

そこで今回は、ザンビアで育てられている様々な品種の稲の根系形態がどうなっているかを調べるために、圃場で根系調査を実施しました。

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今回使用したのは、中華ショップで手に入れた麺の湯切りなどに使われるざる。

このざるを田植え時に、土の表面とざるの上辺が合うように地中に埋め、苗をざるの円形の真ん中にくるように植えます。

取っ手が水面から出るのでどこにざるを埋めたかも分かります。

そのまましばらく放置して稲が成長するのを待ちます。

稲の根の数が最盛期を迎える時期である、穂が出て花が咲く時期になり、いよいよ調査開始です。

まずは一定の高さで地上部を刈り取り、断面に脱脂綿を乗せてラップで包み、輪ゴムで固定して1時間待ちます。

1時間後に、脱脂綿を取り外し、取り付ける前と後の脱脂綿の重さを計り、比べることで、根が吸い上げた水の量が分かります。

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そして、地下部の掘り出しです。

ざるに当たらないようにざるのまわりを丁寧にショベルで掘り出していきます。

品種ごとにざるごと、土の塊ごと掘り出し、まずはざるのまわりについた土を洗い流します。

そして写真撮影。

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ざるを埋めることで根が張っている角度を可視化することができ、品種によって根系形態が違うことが見て取れます。

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その後、ざるから根を取り出し、再度綺麗に洗うことで、今度は根の数の大小を比較することが出来ます。

ここからが根気のいる作業。根を1本1本数えていきます。

少ない品種でも100本以上、多い品種では500本近くあるので、いかに集中力を切らさずに数えきるかがポイントです。

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今回カウンターパートと一緒に行い、彼女にとってこの調査は初めてでしたが、膨大な根っこをみて、「これはアフリカ人の女性の髪を編むのと同じだわ。」と。

アフリカンヘア風にまとめてから数えるオリジナルな方法を生み出していて感心しました。 さすがアフリカンマザー笑

根は、養分吸収や乾燥への耐性、収量にも深くかかわっているので、今回の根系調査が、今後の品種選定や栽培方法の改善につながることを期待します。

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