JICA海外協力隊の世界日記

アンデスの田舎町から

産直販売所のプロモーション(2)

私のボランティア活動に、農産物のトレーサビリティを軸にして商品力の強化を図ろうとするテーマがあります。 しかしトレーサビリティに必要な生産データの記録作業は手間がかかるので、それを行うモチベーションを生産者に与えることができず、あまりうまく進んでいません。そこでやる気を出してもらう為に、販促用のウェブページ作りから始めたらどうかと考えている所です。いずれ情報公開用のサイトとして使う想定です。自分のウェブページを見て、もっとアピールする方法がないかと考え始めてくれれば、トレーサビリティの導入に入れるのではないかと思うのです。 最終的には次の写真のように、商品ラベルに記載したQRコードからウェブページにつながるようにして、生産情報を消費者に伝える仕組みを目指しています。

さて以前の日記で紹介した産直販売所についてですが、この町の役員会からの販促支援の要望に対して、ウェブサイトでお店の紹介を行うことにしました。ここには出店者が11名います。サイトの作成作業はアプリにもだいぶ慣れてスムースに行えるのですが、ウェブページに載せるコンテンツを集めるのが件数が多くて大変でした。大部分の写真は、現場で自分で撮影して用意しました。又、同等以上に苦労したのが、それぞれの店舗の販売品の魅力を訴求する為の説明文です。

魅力的な広告文をお店の人に作ってもらうのが難しかったので、あらかじめ調査表に書いてもらった各店舗のプロフィールから商品ストーリーを勝手に作り、出来上がったウェブページのドラフトを店舗の壁に貼り付け、他の人のサイトと見比べながら写真や文章のチェックをしてもらいました。結果としては写真をいくつか差し替える程度で、又、文章についてもほとんど原文の内容がそのまま採用されたので、少し内容に疑問が残るものの、お客様に見せられる形になりました。直売場の名前も特になかったので、皆さんの意見を聞いて「Aroma Frutal(フルーツの香り)」 と名付け、ウェブ上の地図で検索できるようにしました。サイトのビュアー数のフォローなどが必要なところですが、役員会の依頼に一旦は対策を講じたことになります。

次のステップとして、出来上がったウェブページに生産情報を載せるように、働きかけをしていくつもりです。ここからが自分の本来のテーマに関わってくるのですが、本人自身の努力がこれから必要になるので、今は山の麓にバスでたどり着いた感じです。トレーサビリティが示せるようになれば、消費者や中間業者の関心を引き、信頼関係を築き易くなります。又GAPという国際的な農産物の規格の条件に含まれているので、いつかGAPを取得して輸出の道を開ける可能性も出てきます。物品売買の収支情報が伴うので、適切な農業経営の土台作りにもつながるでしょう。今回のウェブサイト作りをきっかけにして、習慣と勘に頼った農業ではなくて、しっかりとした生産計画のノウハウを身につけ、安定した取引ができるように目指していきたいと思っています。

https://zentousan.my.canva.site/airefrutal

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