JICA海外協力隊の世界日記

アンデスの田舎町から

ジャムコンクール その2

前回の日記ではコンクールを企画した経緯と仕組みと、主に昨年の状況について書きましたがその続きになります。

コンクールの第一ステップの人気投票を行うフェスティバルの日が近づいてきました。参加者には適時準備のための情報を送っていたのですが、結局連絡が取れなくなったりして不参加が6名も出てしまいました。その結果昨年の16名から10名に減り、出品されるジャムの数も昨年の25点から17点になってしまったのです。

人数を少しでも増やすために実は自分でもジャムを作って参加することにしていました。自分を入れると参加者数は11名で、出品数は19点になります。ユニークな味に対して与える審査員特別賞を設定したので、この賞を盛り上げるために、変わった味のジャムを作ろうとしたことも参加の理由です。私が住んでいる家の大家さんの庭にはレモンの木があり、いつもほとんど収穫されずに落果しているので利用できないかと考えました。大家さんに相談したところ、暗くなってからドサッと部屋に持って来てくれました。エクアドルではレモンジャムを見たことがありませんが、ネットで探すと日本ではいろいろな所で作られています。これらを参考にレモンだけの物と、ショウガとハチミツを加えた2種類のジャムを作ってみました。かなり酸っぱいのは致し方ないのですが、皮を細かく刻んで柔らかく煮詰めているので、食感はそれなりに良いものができました。試作品を仕事場の同僚に味見してもらうと、好き嫌いがはっきりしますがとても気に入ってくれた人もいました。

イベントの最初の日は、8時から会場の準備が始まりました。前日までに出品するジャムを受け取ることになっていたにも関わらず、半分近くの人が当日持ち込んできたため、受付の作業でバタバタです。そのうえ10時からフェスティバルのパレードが始まるのですが、これに参加するように要請を受けていました。パタテ市が他の町のパレードに参加する時によく手伝いに連れて行ってもらうのですが、合気道の道着姿で出てからはとても気に入られ、頻繁に参加依頼を受けるようになっていたのです。この日もコンクールの準備を中断して、慌てて着替えて途中からパレードの列に紛れ込みました。自分の町の中を道着で歩くのがまだ二度目だったこともあり、見物していた知り合いが驚いた顔をしたり、親指を立てたグーのサインをしてくれたりして楽しい時間を過ごしました。が、パレードが終了次第、すぐにイベント会場に戻ります。facebook 1 s.jpg

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急いで戻ってきた時にはフェスティバル会場にも見物客が入ってきているので、すでに同僚が対応して人気投票が始まっていると思ったのですが、皆のんびりとしてパレードに出て行ったときと何も変わっていませんでした。たくさんの来場者を集めようと意気込んでいる自分としてはがっくりしたのですが、気を取り直しジャムをつける為のパンをスライスし、お皿をジャムの瓶と一緒にテーブルに並べます。まもなく人が集まってきて、ようやく人気投票が始まりました。

来場者には一番気に入ったジャムの番号を小さなシールに書いてもらいます。それを、テーブルの後ろに掲示した集計用の模造紙に貼り付けて、常に投票の進捗状況が見れるようにしています。同僚以外にも同僚の旦那さんや娘さんが手伝いに入ってくれ、テントの外から覗いている人に声を掛けて誘ったり、ジャムでべとべとになりがちなテーブルを拭いたりしてくれて、順調に軌道に乗ってきました。

コンクールに出品をしている人たちの中には、フェスティバル会場の別のテントでジャムを販売している人が4~5名ほどいたのですが、去年金賞を受賞した人がその時の表彰状を拡大してポスターとして掲示しているのを見て、我が意を得たりとうれしかったです。

二日目の日曜日には同じ県で活動をしているJICAボランティアの吉川さんが手伝いに来てくれました。元気の塊のような彼女は、祭りの雰囲気にとてもマッチして助かりました。水泳隊員として普段プールの中で大声で指導しているように、来場者に声を掛けてくれるのです。無事に二日間のフェスティバルでの活動が終わり、おかげ様で投票に来てくれた来場者の数と投票数は昨年を上回ることができ、なんとか予算を確保した分の責任を果たせた感じです。

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フェスティバルの翌々日に、二次審査のために審査員のところに出品されたジャムを全て持って行きました。去年もお願いしていた方々なので、要領は理解してもらっています。できれば今後も彼らに審査を続けてもらい、ジャム評価者としての審美眼を磨いて、ジャムコンクールの成長の一端を担ってもらえたらありがたいと思っています。

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フェスティバルが終わって1週間ぐらいたつと、結果が気になった出品者から問合せが入ってきました。3位以内の入賞者は人気投票の段階で決まりますが、命名賞と審査員特別賞の決定に時間を要し、9/27の表彰式の一週間前になって、ようやく正式な人気投票結果の報告と、入賞者に表彰式への参加案内ができた次第です。この後の表彰式に向けた準備と当日の様子については、次の日記でお伝えしようと思います。

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