JICA海外協力隊の世界日記

アンデスの田舎町から

ある企業家の家を訪れて

パタテ市では、昨年新しく選挙で選ばれた市長の旗振りのもとで、観光に力を入れています。 目玉になる観光資源の無い小さな町ですが、温暖な気候とのんびりとした雰囲気が人を惹きつけるのかもしれません。 半年ほど前から、週末になると道路が少し渋滞するぐらい観光客が戻ってきた感じです。 コロナの影響でお金が無かった為なのか、公園などの公共施設のフェンスなども塗装が剥げてボロボロの状態でしたが、今はすこしづつ手入れが行われて、教会の花壇もすっかりきれいになっています。

私の活動テーマは農産物のマーケティング支援ですが、地元の果物を使った果実酒やアイスなどの加工品の販売も、農産物に付加価値を与えたうえでの拡販につながります。 その為、コロナ後の観光業の再建と発展に向けた市長の方針に沿って、地元の名産品の開発と販売促進に取り組んでいます。 主な販売の場としては、週末のフェリア(市)や年間行事になっている大規模なフェリアがあります。 去年の9月のフェリアではジャムコンクールを企画し、幸い参加者や市長からも好評を得ることができました。 これを機会にジャムがパタテの名産品に育つことを期待しています。 今は、間近に控えている別のフェリアに向けて、そこに出店する事業者の為にウェブサイトの作成に取り掛かっているところです。 もともとIT関連には疎く、今まで避けて通ってきた領域なのですが、マーケティング活動をする上では避けて通れないと感じ、一大決心をしました。 昨年の9月頃からネット上の学習サイトを利用して、ウェブサイトを作る為のアプリケーションの使い方などを学ぶことにしたのです。 このコースでは生徒の多くが初心者で、授業では練習の為に架空のウェッブサイトを作ります。 しかし私の場合は必要に迫られていたので、実際の写真や情報を取り入れたサイトを作って実務で公開しながら身に着けることになりました。 最初に取り組んだジャムコンクールのウェブサイトがこちらです。https://yoshiyukisuzuki028.wixsite.com/website

1月の半ばに、パタテ市にある果樹園で採れたミカンを使って、ジャムやケーキを作っているある企業家の家を訪ねました。 商品を紹介するウェッブサイトを作る為です。 この事業をしているBerthaさんは県庁のある大都市のAmbatoで製品の加工と販売をしていて、パタテ市としても観光業を推進するキーウーマンの一人として注目しています。 私のカウンターパートから声を掛けられ、広報担当者や市長の秘書まで同行して公用車で行ったのですが、そこはミカン畑の片隅にあるとても質素で小さな家でした。 平屋で日当たりの良い中庭があって、軒下で92歳になるお母さんが編み物をしながら迎えてくれました。 取材の為にあらかじめ準備しておいたらしく、軒下のテーブルには商品の飾りつけがされています。 私はウェブサイトに載せるために、紹介文の作成に必要な情報を聞き、それから写真を撮りに裏のミカン畑に案内してもらいました。 沢山のミカンの木に混じって、コーヒーやアボカドの大木もあります。 畑の片隅の囲いには鶏が走り回っていて、ここで採れた卵もスポンジケーキなどの材料として使っていることでしょう。 Berthaさんとはジャムコンクールの時にお会いし、その後もコンタクトをとり続けていました。 少しとっつき難く、やや苦手な印象を持っていたのですが、最近やっと打ち解けることができました。 真面目でしっかりとした性格が外見にもにじみ出ている人です。 

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