JICA海外協力隊の世界日記

アンデスの田舎町から

田舎町のイベント

近くの町サラサカに住む友人から、又こちらに来ないかという誘いのメッセージをWhatsAppで受け取りました。 その週末の2月4日に伝統的な行事が行われるとのことです。 インティライミ(太陽信仰)のイベント組織が主催しているそうで、彼を含めてインディヘナ(先住民)の人が沢山住んでいる町なので、インカあるいはそれ以前からの風習が受け継がれているのかと思われます。

その日は、農産物の販売促進の関係で近くのコミュニティで打ち合わせがありました。 そのため友人とは会う約束をせずに、時間が空いた時を見計らって行くことにしました。 バスがサラサカの町の中心の教会広場に近づくと、普段は人よりもうろつく犬を多く見かけるような一角で、たくさんの人が騒いでいるのが見えました。 バスを降りて行ってみると普段より正装っぽい民族衣装をした人達が集まっています。 ここの人達は普段から男性は黒いポンチョ、女性は大きなショールに黒い帽子をかぶっていますが、今日は女性はたくさん刺繍の入った真っ白なブラウスを着て、首飾りなどの装飾品をたくさん身に着けていました。 音楽隊もいて皆が何かを食べたり、ビールや焼酎を回し飲みしているのです。 黒い服に混じって若い男達は白い上下の服で、顔も白くピエロのような化粧をしてはしゃぎまわっています。 翌週から始まるカーニバルのモードにすでに入っているようです。 この人だかりの周りにはたくさんの馬がつながれていて、何頭かの着飾られた馬が印象的でした。

群衆が集まっている場所を横からしばらく眺めていると、知らない人が暖かいトウモロコシのスープを持ってきてくれました。 周りの人が手にしているのと同じものです。 別の人からはビールを何杯かもらいました。 しばらく自分に話かけてから、そのあと通りがかりの知り合いを引き留めては、自分のことを紹介してくれるのでした。 地元の人同士は私の友人と同じようにキチュア語を使っています。 ここの人は衣装のせいか少しとっつき難い感じがしますが、友人のおかげで慣れてきたせいかだいぶ打ち解けて話せるようになりました。

この群衆は町の中を何か所か移動してお祭り騒ぎを繰り返すようで、そのうち音楽隊と騎乗の人が先導して白い服装も混じった老若男女が移動していくのに出会いました。 観光客があまりいないことからも、地元のみんなでこの日を楽しんでいる様子がうかがえます。

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