JICA海外協力隊の世界日記

アンデスの田舎町から

観光地バニョスで考えたこと

私の町の近くにバニョスというエクアドルでは有名な観光地があります。今まで5回訪問しましたが、まだ見尽していない感じがします。地名のバニョス(温泉や浴室、トイレ等を意味する)という言葉通り、温泉のプールが沢山あり栄えているようですが、有名なトゥングラウア火山(富士山にそっくり)の麓にあることも観光地としての知名度を上げているでしょう。エクアドルで観光は主要産業であり私のテーマのマーケティングにも関係することから、バニョスを手本にすると私の町パタテにもどんな可能性があるのか、なんとなく気になっていました。

そんなわけで少し仕事を意識しながら、観光スポットを覗きに行っています。温泉とともに人気があるのが、渓谷沿いに点在する滝で、特に広告などでよく見かけるのが“Cascada Pailón del Diablo”です。パタテにもいくつか滝があって宣伝していますが、これに比べると見る影もないほどスケールが違います。この他にも最近行った別の滝では、川を横断する500m近いジップラインやケーブルカーが観光客を惹きつけていました。

こんなに観光資源が豊富な場所が近くにあると、客をみんな吸い取られてパタテに来る客がいなくなってもおかしくないと思うのですが、意外にも週末には割と観光客がやって来ます。私にはまだわかりませんが、どこか人を(エクアドル人を?)惹きつける魅力を秘めているのでしょう。しかし残念ながら観光宣伝のレセプションなどでは、ただ果物などの名産物を並べ教会やフェリアなどのイベントを紹介する程度で、他の町との違いが感じられません。町固有の魅力がどこにあるのか特定して、それに皆が同調できれば、きっとコンセプトが明確になってもっと強いアピールができるだろうと想像している所です。

たとえば自分が感じるパタテを表現すると、「静かな町、安全な町、子供と安心して遊べる町、気候が温暖でくつろげる町」といった感じで、バニョスとは違いアクティブというよりもリラックスとか休息のイメージが似合うと思っています。これが正しければ、こうしたイメージを街角やすれ違う町の人からも雰囲気として感じてもらえるようにすることが、目指すべき方向だと考えます。地域ブランドづくりを意識し、時間をかけて市民のコンセンサスを得ながら進めていくテーマになるでしょう。私も関わることができればうれしいのですが。

パタテ市中心街と トゥングラウア火山.jpg

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