JICA海外協力隊の世界日記

アンデスの田舎町から

ガラパゴス旅行 自然との出会い

前回の日記であまり書くことができなかったガラパゴスの自然について紹介したいと思います。ガラパゴスはユネスコによる世界自然遺産に一番最初(1978年)に指定されましたが、一時は管理状態が悪くて遺産登録から削除される可能性がありました。その反省から、今は環境保護に対するルールが徹底されて、その活動のアピールにもとても力を入れているように見えます。日本を含め各国からいくつものNGOやボランティアが活動していて、私が滞在したサンタクルス島の港周辺の整備はJICAが行ったものだとホテルの人が言っていました。後で知ったのですが、私がサンタクルス島で最初に行ったトルトゥーガ・ベイという海岸の途中に、JICAのODAで作られた地元の人の為の環境教育施設があります。最近、この支援した活動をフォローアップするために施設のメンテナンスを行い、改修引き渡しのセレモニーが今年の7月に行われたばかりのようです。

参照サイト:https://www.jica.go.jp/information/press/2024/20240716_41.html

20240703_01 JICA.jpg

ガラパゴスの自然は有名ですし、この世界日記でも他に紹介されていたので繰り返すのは少し気が引ける面もありますが、ある一人の旅行者の感想として情報を加えさせて下さい。ここにはたくさんの出回っている写真やビデオの通りの世界がありますが、息遣いが伝わってくるなどバーチャルではない所の価値があります。沢山の人を惹きつけるのは厳格なルールのもとで各国の援助で保護された自然と、治安も良くガイドを含めた受入の体制が整っているからでしょう。尚、動物中心のアカデミックなイメージがありますが、欧米の人達にとってはリゾート地として、特に若い人にはマリンスポーツを目的に来ている人もいるように思います。ただ、ほとんどの物資が長距離を輸送されるので、生活物資全てがエクアドルの一般的な値段の2~3倍はします。旅行者向けの物やサービスについては、欧米の観光地の物価と変わらないのではないでしょうか。特に移動と宿泊込みのパッケージツアーは、客層に上限が無いようで、いくらでも高いものがあります。私の場合は、現地の人に紹介してもらったおかげで、かなり費用を押さえることができました。フライトも格安で旅行シーズンに入る前だったこともあって、おそらく通常の半額以下だったと思いますが、それでも合計すると相当な出費になりました。地元のパタテ市に帰ってきてから市役所の同僚に旅行の話をすると、だれも行ったことが無いようでとても羨ましがられました。自分の国ではあるけど自分達には縁の無い場所と思っているようで、その時は残念ながら自分と少し距離ができてしまったような気がしました。

ホテルのあるサンタクルス島を拠点にして3つの島に渡りましたが、それぞれ違う魅力があります。最初に訪れたSeymour Norte島では、有名な足の青いアオアシカツオドリがいて、丁度繁殖シーズンで雛の姿が見れました。喉を赤く膨らますグンカンドリも飛び交っています。木陰で昼寝をしているリクイグアナも何匹も見かけましたが、とてもカラフルできれいです。

DSC08313 s.jpg

DSC08335 rs.jpg

サンタイザベラ島ではペンギンが集まっている岩場がありボートが近寄っても逃げません。海水が太陽で温まった入り江では、“眠りサメ”が体を温めています。その上をガイドに導かれて泳ぎました。岩場の餌をつっついている体調1m近いウミガメも、手を伸ばせば届くぐらいの距離で見ました。ガラパゴスのルールに従って甲羅に触らなかったのを今は少し後悔しています。この島はガラパゴス諸島の中で一番新しい島で、2022年にも溶岩があふれ出しており、流れた跡が見えます。島が広がって成長?している途中で、惑星のような異様な風景がありました。

DSC08471 30s.jpg

DSC08475 r.JPG

サントクリストバル島はガラパゴスの市役所があって港周辺が賑わっていましたが、港近くのきれいな浜辺は、人ではなくアシカたちの日光浴をする場所になっていました。ここでも車で移動できる範囲が限られていて、市街地からは自然の中の散策路を通っていくか、ボートを使ってプライベートビーチのような入り江や砂浜にアクセスすることになります。

IMG_3335 31 rs.jpg

DSC08523 s.jpg

サンタクルス島では白浜の続く湾の中をシーカヤックで漕いでいる時に、3mぐらいの黒い岩のようなものが動いているのを見かけました。 5mぐらいまで近寄ったのですが、ジンベイザメだったに違いないと思っています。

こんな体験は一人旅では本当にもったいなかったので、同僚や家族にも伝えたくて写真やビデオをたくさん撮りました。 ここにビデオにまとめましたので私の感動が少しでも伝わるとうれしいです。

真っさらな自然と出会える天国に見えるのですが、最初に触れたように環境の維持は大変な仕事で、綱渡りの状況がいろいろな資料から見えてきました。孤島で取り残されていたイメージがありますが、住民や観光客の影響だけでなく、外来種の進入や世界中から漂ってくるマイクロプラスチックの問題はどこも同じです。 環境の課題に関しては、“ガラケー”という言葉が通じなくなっている状況がわかりました。

参考資料:経団連自然保護協議会2020年春号:

https://www.keidanren.net/kncf/wp/wp-content/uploads/KNCFNEWS_84.pdf

IMG_3326 31s.jpg

DSC08317 27 rr.JPG

DSC08570 rs.jpg

SHARE

最新記事一覧

JICA海外協力隊サイト関連コンテンツ

  • 協力隊が挑む世界の課題

    隊員の現地での活動をご紹介します

  • JICA 海外協力隊の人とシゴト

    現地の活動・帰国後のキャリアをご紹介します

  • 世界へはばたけ!マンガで知る青年海外協力隊

    マンガで隊員の活動をご紹介します

TOPへ