JICA海外協力隊の世界日記

アンデスの田舎町から

ガラパゴス旅行 人との出会い

ガラパゴスは、赤道直下でエクアドル本土の西1000kmにあり、日本の本州から小笠原諸島への距離と同じくらいだそうです。エクアドルに来たからにはガラパゴスに行かないといけないと思っていたのですが、長期休暇を取るタイミングが見つからずにぐずぐずしていました。行く決心をしたのは、週末にちょっと遊びに行った先で偶然知り合いになったD君(写真)という人から、ぜひにと勧められたからです。

IMG_2911 s.jpg

バニョスという観光地で雨宿り中に出会った彼(25歳ぐらい)は、両親が私の任地のパタテ出身だということでだんだんと話が弾み、ガラパゴスにホテルを経営している親戚がいるということで紹介されました。 自分が行った時の写真を見せてくれて1週間は滞在した方が良いと言うのです。さっそく親戚のホテルに連絡を入れ、フライトも早い方が安いということですぐに押さえました。 現地でツアーを申し込んだ方が安いというアドバイスをもらったので、ホテルに着いてから細かな行先を相談することにして、下調べもほどほどに出かけた次第です。格安航空券だったのですが、オーバーブッキングでアップグレードされるラッキーな出発でもありました。

自分と同じように昆虫が大好きな生物学者で福岡伸一という先生がいるのですが、彼が訪れた時の本やビデオを見ていたので、手つかずの自然環境や野生の生き物に会うのを楽しみにしていました。まずは現地のバルトラ空港にて、飛行機から下りて建物に入るまでの間にイグアナに出会います。 飛行場から船着き場に行く道路にもイグアナが出てきて、その都度バスは速度をぐっと落として保護に気を使っていることがわかります。イグアナ以外でもホテルに着く前に、茨城県で見かけるタヌキの道路標識のような亀の標識を見つけました。このように、昔から住んでいる動物たちに配慮しながら、人が共生している光景をあちこちで見かけることになります。

D君の親戚のA叔母さんがホテルを切り盛りしていて、ホテルまでのタクシーを手配してくれたのですが、運転手のEさんが私の町に近いサラサカ市出身という事で、共通の知り合いでこの町に住んでいるWさんの話で盛り上がりました。後でWさんの家で彼のお父さんと一緒に食事をする機会があったのですが、彼も若い時にガラパゴスに行ったそうです。おそらく1978年に世界遺産に登録される前だと思いますが、移住の勧誘があって見に行ったとのことでした。しかしほとんどが溶岩でできた土地は容易に開拓ができない為に彼は断ったのですが、サラサカの町は貧しかったせいなのか多くの人が移住し、サラサカという名前の付いた地名もあるとのことでした。ところで運転手のEさんのタクシーにはその後二回乗る機会があって親しみも増し、Wさんと同じく彼もインディヘナ(スペイン征服以前からの原住民)なので、スペイン語よりもキチュア語が出てくるらしく、移動中にキチュア語を教えてもらったりしました。

私がマーケティングのボランティアをしていることをD君はA叔母さんに伝えたらしく、ガラパゴスに行く前からホテルのプロモーションの仕方について教えてほしいと頼まれていました。そこでホテル業界の知識はなかったのですが、建物やロケーションを見てホテルに合った顧客像をつかんでから検討するつもりでした。このホテルは、予約サイトにアクセスできる教科書のお手本のように整ったウェブページを既に持っていて、それを見たイメージが頭の中にあったのですが、実際に来てみると、ホテルが持っている家庭的な雰囲気とは違うなと思いました。 言い換えれば、ホテルに見合った顧客の姿が、ウェブページから見えて来なかったのです。視点を変えれば、狙いとすべき顧客の目に留まるようなコンテンツが欠けていると言えるでしょう。そこで簡単なアプリを使って新しくウェブページを作り直した方が良いと思い、自分が撮影した何枚かの写真を使ってラフに作ったサイトの構成案を見せました。それをA叔母さんは気に入ってくれたので、自分で作って更新ができるようにアプリの使い方を教えてあげました。ただ一人で作るのはすぐには無理だと思ったので、共同作業ができるようにアプリの設定をしてきました。A叔母さんを励ましながら、今も時々メールでやり取りをして作業を続けているところです。

IMG_3367 rs.jpg

ホテルの入口のドアをみると「WE HELP UKLAINE」のシールが貼ってあるので少し驚いたのですが、一緒に働いているA叔母さんの妹の旦那さんの両親が、ウクライナ人だったのです。帰る前の日に誘われて皆と一緒に食事をしたのですが、彼自身はドイツ生まれで、カザフスタンで育ったという国際色豊かな人でした。ロシア語、英語、ドイツ語、フランス語に加えて日本語も少し習ったとのことで、片言の日本語を話す小さな娘さんも入って、楽しく最後の夜を過ごすことができました。お目当ての動物以外にも、いろいろな人とも知り合いになれて、とても充実した旅行になりました。

ウクライナ支援.jpg

SHARE

最新記事一覧

JICA海外協力隊サイト関連コンテンツ

  • 協力隊が挑む世界の課題

    隊員の現地での活動をご紹介します

  • JICA 海外協力隊の人とシゴト

    現地の活動・帰国後のキャリアをご紹介します

  • 世界へはばたけ!マンガで知る青年海外協力隊

    マンガで隊員の活動をご紹介します

TOPへ