JICA海外協力隊の世界日記

Dive into Jamaica

GCRMNに参加してきました

みなさんこんにちは、

もはや職場では何でも屋と化した私です。あるときはマングローブ林で調査をしていたり、あるときは学生の水泳補助をしたり、ある時は海に出て生き物を捕まえてきたり、もはや水産開発とは名ばかりの働く三十路です。

今回はGCRMNの調査に参加してきました。GCRMNはある一定の界隈では有名なネットワークで、Global Coral Reef Monitoring Networkの略です。世界規模でサンゴ礁の分布データを集めているネットワークです。

このようなサンゴ礁のデータを蓄積する事で世界的なサンゴ礁生態系の分布動態の実態解明や、保全マップの策定など生態系保全に有効な政策が行えると思います。

ジャマイカでは一応活動しているのですが調査に一定のスキルを持った人が複数人と時間が必要なので、行える団体は限られます。今回はその活動を行なっている研究所が実習も兼ねてディスカバリーベイでやってくれることになりました。

調査方法は30mのラインを海岸線と平行に引き、魚の同定と計測、60cm×90cmフレームで写真撮影(のちのサンゴ被度率測定のため)、3cm以下の稚サンゴ(写真の黒枠内が稚サンゴです)と海藻観測、ナマコ、ウニといった海洋無脊椎動物の同定と観測といった4つのセクションに分かれて観測します。

これだけ聞くと結構楽しそうなのですが、魚担当はまず魚の名前を正確に覚えていなければいけません。写真担当は迅速にピントの有った写真を撮る必要があります。このように各々技術が必要です。そして、極めつけはデータの確実性を上げるため1回のダイビングで5回これを行う必要があります。ボンベのエアー消費を考えて15分間隔で一個終わらせないといけません。つまり、熟練したダイビングスキルと、生物学の知識を持っていないと出来ない調査でした。

この調査、やってみると相当ハードです。

職場からは得られたデータを解析して、11月に発表してくれと頼まれています。

とりあえず、サンゴの種類と被度率からサンゴ礁生態系の健康度を大まかに予測する事を考えているのですが、やはり大西洋と太平洋ではサンゴの種類など勝手が違うので難しいですね。このようなデータの重要性はやはり蓄積することに尽きます。

面倒くさがらずにこのデータを毎年取ることで、ジャマイカにおけるサンゴ礁生態系の傾向が読めてくるかもしれませんし、希少種保全に対してアプローチを取ることもできるかもしれません。個人的に思うのはジャマイカではサンゴの白化を目撃するよりもサンゴの疾病を目撃する事の方が多い気がします。沖縄のように急激な温度変化による白化現象ではなく、環境汚染によるサンゴの死滅の方が深刻度は高いと個人的に睨んでいます。(室内実験でストレス応答を見ればわかるような気がします。自信はありません)このように他の地域と比較するのも興味深いですし、やろうとすればいくらでもサンゴ礁保全関係の研究は存在しています。私はやりませんが。


何が言いたいかと言うと、これをきっかけにジャマイカでもサンゴ礁観測のムーブメントが出来て、よりサンゴ礁保全に働きかけが出来たら素晴らしいなと思う事だけです。

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