JICA海外協力隊の世界日記

Dive into Jamaica

アクアポニック 作りました。

みなさんこんにちは、

最近、「Q:杏仁豆腐はもうやらないの?」という質問が国内外からきています。「A:実は最近5人前作りました。ただ、三十路のおっさんがモソモソ杏仁豆腐を食べても面白要素が一切無く、むしろ侘しさが残るという事から今後の世界日記への掲載を見送らせて頂きました。杏仁豆腐の今後の活躍は自分が祈っておきます。」
確かに、自宅に残っている40人前の寒天の素を見ると確かにやらなければいけないのですが、作る手間と一人で消費する寂しさを思ったらかなりゲンナリするので、今は手を止めています。用法容量を守って楽しく杏仁豆腐は作らないといけませんね。機会があれば羊羹には挑戦したいのですが…
という事で、杏仁豆腐とは全く関係の無いアクアポニックの話です。


こっちで一番無茶な頼まれごとは何か?
と問われれば、確実にこれを出します。その名も、アクアポニック。(ちなみに個人的に頑張っているのはコンクの養殖提案。実現すればですが…)
アクアポニックとは水耕栽培(ハイドロポニック)と水産養殖(アクアカルチャー)を同時に行う事です。養殖対象となるのは魚ですが、水耕栽培のために淡水魚を養殖します。なぜかと言うと、養殖魚が出した排泄物や残した餌などは、有機物となり、魚にとっては毒ですが植物にとっては栄養源です。そこで、植物と土壌中の微生物に有機物を分解させ無毒化した水をまた魚に戻すという循環型の仕組みになっています。
実は生まれてこのかた金魚1匹たりとも観賞魚を飼った事がないのです。職業柄、ヤイトハタとチャイロマルハタを飼育していたことはあるのですが、生け簀だったり養殖場での話。まず魚を飼うことが課題になります。実は、ジャマイカでは淡水魚養殖自体はメジャーなので、魚は手に入るのですが肝心のアクアポニックシステムを周りはやったことがありません。
加えてやってほしいと頼まれた予定地は配管が壊れた3000Lの青いタンクのみ(写真1)。魚を飼育するタンクと排水を集めるタンクの2つがアクアポニックでは使います。経験がある人は周りにいません。
つまり、ここからどうしろと?
列記すると
1. 壊れたタンクの補修と配管。 2. 何処からかもう一つタンクを持ってきて高低差をつける。 3. 野菜を育てる花壇の作成と土壌の検討。 4. 淡水魚の仕入れ。
以上をなるべくお金を掛けないで行う。

こんなの出来るわけがないよ。とまず自分自身が諦めていました。ジャマイカで生活することになれるのにまず時間がかかっているのに、どないせいと言うのでしょうか?
辞めさせて貰います」という言葉が喉からでかかりました。仕事に対するモチベーションが一気に引き下がったのを今でも覚えています。何度か「これをやるには自分は不適当だ」と上申していたのですが、「オクトしかいない」と言われて結局やることになりました。今考えるとすっごく押しに弱いですね。
1は配管作業だけなので簡単にできます。2は他の研究所で余っているのを以前見かけたことがあるので、なんとかなる気がします。3はネットで調べればなんとかなります。4は上司の知り合いの水産局の人に掛け合ってなんとかしました。
完成したのがこちら。配管と花壇は捨てられていた廃材やバレルを半分に切って形にしました。アクアポニック用にするためにガスケットで補修していますが、なんとか機能しています。中の土壌はサンゴ片と砂利を敷いてあります。サンゴ片を入れたのは、バクテリアを培養する意図があります。いわゆるライブロックとしての機能を期待してです。
水中ポンプはJICAの現地業務費を使って購入した高機能のポンプを入れてあります。タンク(黒)はお願いしてもらってきました。
完成した時はなんとかまぁ形になるもんだなと、思いました。
実際にいま育てている植物はパイナップル、ミント、トマト、レタス、キャベツ、チアシード、もやしなどです。なんと、もやしが一番よく成長しています。こっちの人はもやしを食べないので成長した鞘入りのもやしをインゲンマメ(String beans)の代わりに使えないかと画策中です。ということで、今度はもやし(成熟)の実験調理でも書きますね。

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