JICA海外協力隊の世界日記

Jamm Lekk 平和だけ。

巡回予防接種

月に一回、ソコン周辺集落へ出張予防接種があります。

10時ごろから夕方暗くなるまで2日間で13集落をまわるハードスケジュール。

 

暑い中、

汗だくになってクタクタになって

予防接種や啓発を行う同僚さんたち。

その姿をみて

もっと楽に仕事ができるようになったらいいのに、と感じたり

こうに頑張ってる人たちのお給料が払われないなんて絶対いけないよな、

と思わされます。(実際あるわけだけど)

 

ソコンをでて村落にはいるとタイムスリップします。

 

今回訪れた村のひとつは

電気はきていない(ソーラー電気あり)

水道も整備されていない、村の真ん中と外れに井戸が3

ソコンに行くには馬かロバにひいてもらう荷台にのって15Km

 

という村でした。

このような似たり寄ったりの村落はゴロゴロあります。

  

この村落では

予防接種をうけた16人の赤ちゃんのうち

3人の赤ちゃんは生年月日がわかりませんでした。

 

生まれた日がわからない……

そんなことあるのか……

これがどういうことだか想像できますか。

 

お母さんに、この子はいつ生まれたの?と聞くと

「タバスキ(イスラム教のお祭り)のあたり」

2ヶ月前にンゲンテ(命名式)したよ」

 

などと答えが返ってきます。

日本では誰もが当たり前にもっているであろう

母子保健手帳を

持っていなかったり

持っていても記録がされていないのです。

どこで出産したの?と聞くと

………「家!」

自宅出産をした母子でした。

 

 

セネガルでは

出産前に4回の妊婦検診がありますが

病院まで遠くていけない、

費用が高いという理由で(本当は正常分娩は無料のはずだが、国からの支払いが止まり有料になっている現状)

病院で出産せず意図的に自宅出産を選んだり、

やむを得ず自宅出産になるお母さんたちが少なからずいます。

 

自宅で生まれると

記録などは残りません。

 

自宅出産でも無事に生まれ、巡回予防接種にきている母子はまだいいです。

自宅出産で起こるリスク(最悪、生命がなくなる)はわたしたち巡回者には見えてきません。

 

村落で話をきくと、

自分の年齢がわからない子供が

驚くほどたくさんいます…‥

 

自分の年齢がわかるって、

お誕生日おめでとうって言ってくれる

自分の誕生日を知ってくれてる人たちがいることって、

 

ここでは当たり前じゃないようです。

 

ソコンに住んでいる人たちは

だいたい34回の妊婦検診をうけて24時間体制の病院で出産ができます。

誕生日が分かり家族にお祝いしてもらう子供もいます。

もちろん、

村落でも病院まで行って妊婦検診をうけて

病院や保健ポストで出産をしている母子の方が多いです。

 

自宅出産であったのは3/16組の母子の話です。

 

ただ、

13/16人が病院で出産できてるからいいんだ、とは思えないです。

SDGs:持続可能な開発目標のなかで援助において

「誰ひとり取り残さない」と掲げられています。

 

3組の母子とその後ろに隠れている、

自宅出産によって失われてしまったかもしれない生命も含めて

誰の生命も取り残さない世界であってほしい。

それがどんなに難しいか、現実にぶつかって改めて感じます。

 

予防接種をされて、

思いっきり泣く赤ちゃんを見ると

生きるチカラを感じます。

 

強く強く元気に育ってほしい。

 

後ろでガヤガヤうるさく邪魔してくる子供たちも

邪魔しないでほしいけど、

髪の毛引っ張らないでほしいけど

今日も元気でいてくれて嬉しいです。笑

 

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