JICA海外協力隊の世界日記

ランカカレーは一度に2回味わう

活動内容②

アーユボーワン。

前々回の活動内容①からだいぶ時間が経ってしまいました。

日本はすっかり秋、スリランカは地域にも寄りますが、私がいる南部州は乾季に入りました。

もちろん、暑いです。

②生徒が伸びる授業づくりについて

特別支援教育の特徴として必ずあげられるのが個別の支援。

一人一人の個性が違うからこそ、その子に合った支援をすることはとても大切なことです。

スリランカの特別支援に関わっている教員たちは、もちろん個別の支援が重要なことは十分承知です。

しかし、一教室の教員と生徒のバランス(日本は1人の教員に3人の生徒、スリランカでは1人の教員に5人の生徒で指導するよう決められています。)が合っていなかったり、生徒一人一人の得意不得意を把握できていなかったり、不定期にくる生徒が多かったりしていて実際に個別の支援が十分にできているところは少ないのではと個人的に感じています。

では、どうするか。現場の先生たちが考えたのは各自のノートにそれぞれの課題を書いて渡すことでした。活動内容①の際にも書きましたが、国語算数の90分授業でそれぞれノートに個々の課題を出しています。

そのため、国語では文字は書けるけど読むことができない、算数では数字が書けるけど、1や2の概念が分からない生徒が多くいます。

また経験が少ない、身体を動かす機会が昼休みのみなどの課題があげられ、肥満やボディーイメージがつかめていない生徒たちも多いです。

それらを踏まえて、1週間に10教科を取り入れ授業を行うことにしました。

国語算数では、上記にあるような環境的な課題もあるため、現在行っているノート学習にプラスして教材を併用することで個別の支援が少しでもできるように取り組んでいます。

特に低学年にあたる生徒たちには、実際に手指を使って楽しく学べるような教材を作るよう心がけています。

しかし、金銭的、物品的な問題もありそれらをどう工夫していき、授業を充実させていけるかが今後の課題です。

また、その他の体育や音楽、自立活動や環境などの授業でもどんな活動が生徒たちに合うのか、活動先の教員と話し合い、実際に実行してお互い納得がいかなければやり方を変え、試行錯誤しながら進めていきました。

現在はおおよそ一か月ごとに単元を作り、グループ活動や活動の発展も取り入れていくようにしています。

これらの支援により、机上の授業から体験型の授業が増えたこと、授業に変化ができて子どもの得意不得意が見えやすくなったことなどが成果として挙げられると思います。

さらに、授業以外でも日常の生活の中で生徒たちが自然と学べる環境づくりにも力を入れています。例えば、リュック置き場の写真カード。以前は名前のシールを貼っていましたが、字が読める生徒は少ないため、誰がどこの場所を使っているのかは分からない状態でした。そうなると、自分の持ち物か他人の持ち物かも分からなくなってしまい、物が紛失することが多くありました。そこで、個人写真カードを作ることにしました。

が、制作をすべて無料で行おうとしたところ、全員の写真を撮って、シートを寄付してもらって、シンハラ語を打って、カラープリントして、ラミネートして、リュック置き場に貼るまでに約4か月かかりました…。

しかし、生徒たちがリュック置き場に貼ってある自分の写真を見ると喜んで、定位置に置いてくれるようになったので、結果オーライです。

そんなじっくりゆっくりな日々です。授業についてここでは内容が多く、大まかに書いてしまったのではまた小出しにして紹介していきたいと思います。

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