JICA海外協力隊の世界日記

セネガル日記

合同算数研修会

セネガルの「小学校教育」隊員は現在2種類のタイプがあり、教育委員会配属の隊員と、教員養成校配属の隊員がいます。私は後者のタイプで、基本的に教員養成に携わっています。

以前、「小学校教育隊員がたくさんいるから、複数の力を合わせて何かできないかな」という話を同期としていました。そこから話が進み、同期の配属先の教員養成校で、算数教育についての研修会を開くことになりました。

ルーガというセネガル北部にある町の教員養成校は今年度250人の小学校・幼稚園教員候補生(以下「学生」)が在籍しています。施設は新しく、大講義室もあります。その大講義室で、小学校教育隊員4人が250人の学生に向けて講義をしました。

講義内容は、数の概念の一致について、図形学習においての柔軟な思考、ペア・グループ学習について。

私は、数に親しむための遊び学習を紹介しました。

セネガルでは、

・母語ではないフランス語で学習するため、数詞(音・文字)と数字の一致が困難。

・遊びと学習を分けて考えている先生が多く、小1から講義形式。

・隙間時間はあるが、課題が与えられるわけではない。

・問題演習がかなり不足している。

という現状があり、このテーマにしました。

遊びの中で子どもは学ぶということを理解し、隙間時間も数に触れる機会を増やしたら教師も子どもも、もっと楽しく算数に向き合えるのではないかなと考えていました。

ということで、たくさんの遊び学習を紹介しました。

それぞれの学習で何を学ぶことができるか、準備するもの、ルールの加え方などを説明し、学生たちと一緒にやってみました。

例えば、「1,2,3…」と数を唱える活動。

セネガルでは、全員で一斉に唱えるか、1人の子を前に出してその子だけが唱える、という活動しか見たことがありません。

なので、今回は

・ペアやグループで交互・順番に唱える

・言ってはいけない数を示し、その数字の時は手をたたく

など、いくつかのバリエーションを紹介しました。

他には

・数を図や絵、フランス語で表したカードでのカルタ

・「on y va!(せーの)」で数カードを出し、一番大きい/小さい人が勝ち

・ペアで0~5の数を指で表し、合わせて5を作るジャンケン

などなど、準備が不要または簡単なものばかりにしました。

日本ではこれらの活動は教科書に載っているものもあります。先生たちがその場でちょっと考えてやることもあります。子どもたちがルールを考える場合もあると思います。

セネガルでは学生たちも初めての経験が多かったようで、子どものように楽しんでくれました。熱心にメモをとる学生もいました。彼らのレパートリーの1つになって、実際に教室でもやってくれるといいなと期待がもてました。

10月から小学校の新年度が始まり、2回目の教育実習が行われる予定でした。

でも今年はその教育実習はなくなり、10月末に試験を行い、その後全国の学校に教員として送り出すそうです。教育実習の様子を見るのを楽しみにしていたので残念ですが仕方ないです。教員として彼らが指導するときに、私たちの行った講義が少しでも生かされると嬉しいです。

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