2019/09/12 Thu
活動
YMCAキャンプ


8月上旬に、ある小さな町で2週間のキャンプが行われました。
キャンプと言ってもテントを張って野外炊飯を行う…とかではなく、町の子どもたちを対象にした泊まり込みの活動。大人は宿泊施設で生活し、子どもは自宅から通うというスタイルで、図工やスポーツの活動をしました。
主催はセネガルのYMCAという団体。そこにフランスの団体と私たちJICA隊員が協力するという形でした。中心になってくれたボランティアが何度も事前打ち合わせを行い、活動内容等を決め、みんなで役割分担をしキャンプを実施していました。3歳~15歳、大人数、日によって人数が違う、一日中続く活動、暑い、と条件が難しい中、みんなよく工夫して様々な活動を考えていました。


1週目は図工、2週目は体育。
体育の週は午前は日本人が、午後はセネガル人が準備した活動を行ったのですが、考え方の違いが見えました。
日本人は、まずは簡単な動きから始め、徐々にルールや技を加え最終的にゲームを行ったり技を完成させたりする。新しい競技の楽しさ、技を習得する達成感を味わわせることを重視。
(組体操、野球やバレーボール等未経験の球技、大繩等)
セネガル人は、最初からすべてのルールを教え、ゲームや対戦形式で覚えていく。単発の活動で、一日に多数の種類を行う。常に勝ち負けを意識し、全員で盛り上がることを重視。
(障害物競走、なじみのある球技等)
なのかな、と感じました。
事前の話し合いの段階ではお互いの活動の考え方が見えておらず、日本人が準備した活動に対して「1つのことをそんなに長時間できないだろう」というセネガル人の意見、セネガル人が年齢を混ぜた組分けを行うことに対し「体力や体格に差があると活動が難しい」という日本人の意見がありました。
この考え方の違いが見えたことは、私にとっては大きな収穫でした。
もちろん、どちらの考えにも良さがありますが、自分がこれまで行っていたセネガルの小学校での体育は「日本式」の考えが強かったのだろうと思います。どちらの考えも理解した上で授業を組み立てられれば、もっとセネガルの文化に馴染み、日本式の良さをうまく組み込めるかもしれないと今後の参考になりました。


ちなみに、この町は首都と私の任地ティエスとの中間にあります。
イスラム教徒が多いセネガルでは珍しくほとんどの住人がキリスト教徒で、教会はあるがモスクはない地域でした。任地では毎日聞いていたお祈りを呼びかけるアザーンは聞こえず、鐘の音が聞こえました。ほとんどのセネガル人が理解しているウォロフ語を話さない子どももいて、フランス語が浸透している印象。公園にいた、昼から泥酔していたおじいさんもフランス語で話していたので、彼の母語はウォロフ語ではなくフランス語なのだろうと思います。また、「モハメッド」「ファティマタ」などイスラム教徒によくある名前は少なく、「クリストファ」「マリア」など、キリスト教由来の名前の子が多かったです。
さて、普段の学校での活動よりも長い時間子どもたちと関わり、一人一人の個性やお互いの関わりで見えてくるものがたくさんありました。
視覚に障害をもちながらも、組体操の技に果敢に挑戦する子。
反抗期を迎えたのか全ての活動への参加を拒否するも、全日程全活動に必ず出席する子。
どんなに汗をかいても汚れても毎日同じ赤い服を着て赤組であることを誇らしげにし、常に笑っている子。
1年後にまたみんなに会いたい!!
…のですが、私は1年後セネガルにいません。来年もいる隊員にあの子やあの子がどうしているか報告してもらおうと思います。
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