JICA海外協力隊の世界日記

エジプトは今日も晴れ!

【32】「紅茶飲んでいく?」

アッサラーム アライクム!

店の前を通ると、「紅茶飲んでいく?」と必ず声をかけてくれるおばちゃんがいます。

できるだけ誘いには乗ろうと思いつつ、最近は暑いので早く帰りたかったり、熱い飲み物は気分じゃなかったりで、断ることが多くありました。

協力隊の誰かが、「人からの誘いは絶対に断らないようにしている」と言っているのを最近耳にして、私も見習おうと思ったところでした。

ある日、いつものように「紅茶飲んでいく?」と聞いてくれたので、お言葉に甘えることにしました。

「砂糖どのくらい?」と聞かれたので、自分で少しだけ入れました。
スプーン1杯と言っても、山盛りの砂糖になるので、自分で入れるか、本当に少しとジェスチャーで伝えるのが得策)

椅子に腰かけて、やかんでお湯が沸くのを待ちました。

この店は金物屋さんで、だいたいいつもおばちゃんとおじちゃん夫婦、息子のギルギスがいます。
彼らの家は近くにあるけど、店番をしながら、みんなでご飯を食べていることもあり、家のような場所なんだろうなと思います。

彼らは、エジプトで10パーセントいるプト教の家族。
だから、おばちゃんはヒジャブをかぶっていないし、手首に十字架のタトゥーが入っています。

おばちゃんの名前を聞いても、「ギルギスのママって呼んで」と言って、名前を教えてくれません。
たまにこういう方がいて、なんでだろう?と不思議に思っています。


ギルギスは高校生だけど、今は夏休みで、お店を手伝っていました。
店の前に自転車が置いてあって、それを修理しているようでした。

ギルギスは、この店を継ぐのかなあ、なんて考えているうちに湯が沸き、紅茶が完成!

すぐには飲めないので、冷めるのを少し待ち、ちょっとずつ飲みます。
飲み終えるまでが、みんなとお喋りできる時間です!
(もっと居てもいいけど、帰り際が分からなくなるので、キリよく飲み終えたら帰ることにしている)

今日はその場に、(たぶん)初めて会うおじさんもいました。
ここには、ギルギス家族の他に誰かがいて、お喋りをしていることが多いです。

「クエスナに住んでいるのか?」「TOSHIBAで働いているのか?」と聞かれました。
クエスナにはTOSHIBA関連の工場があるので、日本人だと言うと、そこで働いていると思われることもよくあります。

「違うよ。エジプト日本学校で活動しているよ!」
と私、ではなくおばちゃんが答えてくれるので、私はうなずくだけで会話が進みます。

この店がある場所には、(決しておしゃれではない)地元密着型のカフェやごはん屋さんが並んでいるので、話しかけてきてくれる人もいます。
ギルギス家族が一緒にいるので、危険な人は寄って来ないし、こなれた感じも出せるので、嬉しいです。

さらにこの場所は、カイロ行きのミクロバスの停留所があったり、クエスナの町の中と繋がる橋があったりする場所なので、人や車どおりが多いです。

ゆっくりと椅子に座りながら人間観察ができて、とても楽しい場所です。

他愛もない会話をして、お父さんやおじさんのアドバイスを聞きながら修理を続けるギルギスを見守っているうちに、紅茶を飲み終わりました。
「ありがとう!またね!」と言って、家に帰りました。

たった数十分で、こんなに楽しくて明るい気持ちになれるんだから、やっぱり誘いには乗るべき!と思った出来事でした。

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