JICA海外協力隊の世界日記

エジプトは今日も晴れ!

【48】友達と会った冬の日のこと

アッサラーム アライクム!

任地クエスナで初めてできた友達が、ラウダです。

先輩隊員の話を聞いて、私も任地の友達が欲しいなあと思っていたタイミングで、ラウダから声をかけてきてくれました。
その声のかけ方も好印象で、連絡先を交換し、度々出かける仲に。

11月初めの頃に会った後、お互いのスケジュールが合わず。
先日久しぶりに会った日の話です。


約束の時刻は夕方5時
ラウダが私の家まで迎えに来てくれることになっていました。(いつものこと)

が・・・一向にやって来ません

前は、時刻を過ぎると私から電話をかけていました。
遅れて来たこともあるし、約束をすっかり忘れていたなんてこともありました。
そういう訳で、最近はやって来なくても、まあそのうち来るでしょという感じで、1時間くらいは待つようにしていました。

6時。1時間経ちました。
インターフォンは鳴らないし、何の連絡もありません

さては、忘れているな
この日の約束をしたのは、1週間前
うっかり忘れているということは、十分あり得ます。もはや、忘れている気しかしません。

この日は、いつものようにご飯を食べに行くことになっていました。
お腹も空いてきたし、もう来ないよね?ご飯、食べちゃおうかな。
そう思い始めた時、ついに!インターフォンが鳴りました!来た!!

インターフォンは、部屋の前とアパートの玄関前の2か所にあります。
玄関から中に入るには鍵が必要なため、住人以外は中に入ることはできず、ラウダが押しているのは、外のインターフォン

けたたましい音が、部屋中に鳴り響きます。
ベランダからラウダに合図を出せば、押すのを止めてくれるけれど、少し面倒で無視
私が気付いていないのだと思っているラウダは、何回も押してくれます。

分かってるから!!今すぐ行くから!!

ご飯食べなくてよかった・・・と思いながら、部屋を出て、階段を下り、アパートの玄関を出ました。

ラウダとその横には初めましての女の子。(2人とも16歳の高校生日本だと高校生と遊ぶなんてないよなあ、と毎回思う

感動の再会とはならず、私は開口一番、
ねえ!遅い!約束は5時だったよね?今、6時15分なんだけど!忘れてるんだと思った!」

「まさか!忘れてなんてないよ!」と言うので、「じゃあ、なんで遅れて来たの!?連絡してよ!
「塾だったんだよ・・・ごめん・・・」

私がとてもお怒りのように思われるかもしれないけれど、実はいつものやり取り
別に怒ってもないし、むしろこの1時間ちょっとの間にやりたかったことも済ませられたし、こんなもんだよなと思っています。

ただ、私が何も言わないと、ごめんもなしに「じゃあ行こう!」と言われるのがで、遅れてるからね!ということを伝えるために、毎回会った瞬間はこんな感じ。(大人げないよな、とは思いつつ・・・)

横にいたのは、ファトマ。
そういえば、1週間前に電話した時、友達を連れていくと言っていたっけ!

私にとっては、本当に初めましてだけど、ファトマはラウダから私のことを色々と聞いていたらしく、既に私を知ってくれていました。

何食べる?となり、向かったのはコシャリ屋さん
(コシャリ・・・エジプトの国民食とされていて、お米・マカロニ・スパゲッティ・豆トマトソースをかけ、混ぜて食べる料理)

席につき、メニューを見て私が注文したのは、コシャリターゲン
(ターゲン・・・耐熱容器にペンネとソースを入れて、オーブンで煮込む料理)


コシャリは小さいサイズを頼んだけれど、ターゲンのサイズは未知数
食べきれなかった場合は、お持ち帰りすることができるので、安心です。

料理を待っている間、3人でお喋りをしたり写真を撮ったり
私の年齢の話になり、ラウダが「27歳!
「誕生日を迎えたから、28歳だよ!」と私が言うと・・・!

ラウダがかばんをごそごそとして、何かを取り出し、「ハルカ、はい!誕生日プレゼント!」
見ると、ネックレス・ピアス・指輪のアクセサリーのセットでした。

え!ありがとう!予想もしていなくて、びっくり
年齢の話をしたのは、あえて?たまたま?どちらにせよ、嬉しい出来事でした。

その後は、もらった指輪をつけて過ごしました。

サプライズに喜んでいると、料理が運ばれてきました。

ターゲンのサイズを見て、うん、残りは持ち帰りしよう

ラウダとファトマは、一回り大きいコシャリと私のと同じサイズのターゲン1つずつ注文し、一緒に食べていました。
その前で私は1人で食べていて、自分の食い意地笑うしかありませんでした。

どちらもとても美味しかった!
エジプト料理は味が濃くて、塩と油たくさんという感じですが、無性に食べたくなる時があります。

美味しいね、と言って食べていると、ファトマの目がうるうるしています。
何か、辛かった?と思って、ラウダの方を見ると、ラウダも涙目に。

「どうしたの?」と聞くと、「だって、ハルカが2か月後に日本へ帰っちゃうから・・・寂しい・・・」
号泣し始めました。

えええええ!?!?!?
待って待って、ほんの今まで、美味しくご飯を食べていたよね!?
しんみりするような雰囲気も一切なかったよね!?
ファトマに関しては、今日初対面よ??

あまりに急な展開に私もびっくり、笑う場面ではないと分かりながらも、笑わずにはいられません。
「大丈夫だよ!まだクエスナにいるから!また会えるから!」と言いつつ、こんな風に思ってくれる人がいるなんて、嬉しいなあ幸せだなあ帰りたくないなあ

その後は、さっきまでの号泣はなんだったんだ!?と思うくらいにけろっとして、ご飯を食べ、「アイスを食べに行こうよ!」という提案まで。
お会計をして、お店を出ると、・・・寒い
お店の中にいると、すっかり忘れていましたが、季節は冬

「こんなに寒いのに、私達アイス食べるの!?」3人ではしゃぎながら、アイス屋さんへ。
ショーケースを見ると、3人とも食べたいトート(桑の実、ベリーの味)のアイス少ししか残っていません。
みんなの分あるかなと心配していると、新しいアイスを出してくれて、無事に3人の手にはトートのアイス

冬空の下、ラウダとファトマに挟まれて横並びになって歩き寒い寒いと言いながらアイスを食べました。

ああ、最高だな。2人の突然の号泣もあって、何てないこの瞬間がとても愛おしく感じました。
いつか、今日の日を思い出す日が来るのかな。

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