2023/09/22 Fri
文化 活動 生活
#15 【わくわく理科実験】クマエver. pH指示薬を探せ!!
今回は、pHの話。
日本では夏も終わり、だんだんと涼しくなってきたところでしょうか。夏の終わりってなんだか寂しくなりますよね。ちなみにカンボジアは今でも30℃を超える日々が続いています。
そんな夏の思い出といえば、夏休みの「自由研究」ではないでしょうか!?そして、自由研究の定番といえば、紫キャベツの煮汁を使ったpH測定をあげる方も多いかと思います。pHは、下水処理場でも毎回測定しており、水質をチェックする上で大事な指標の1つです。機械を使わずに身近な野菜を使ってpHが調べられるなんてわくわくが止まりませんよね。しかし、ここカンボジアでは、日本で紫界を代表する紫キャベツは影が薄くクマエにとってはあまり馴染みがありません。
ナスはカンボジアでは丸くて緑色のほうがメジャーであり、仮に紫色のナスを使っても取れる皮の量は少ないのであまり期待はできなさそうです。
そこで、pHが変わると変色する紫キャベツに代わる現地の作物を探してみました。
今回選んだのはこの3つです。
①ドラゴンフルーツ
ドラゴンフルーツは、カンボジアでは「龍のうろこ」と呼ばれ、市場やスーパーで比較的手に入りやすい果物です。果肉は赤色と白色があり、赤色は人によっては紫色と呼ぶ人もいるため、紫キャベツに近い成分があるのではと思い、今回エントリーしました。
②マンゴスチン
ドリアンが「果物の王様」なら、「果物の女王」と呼ばれるマンゴスチン。4月~7月頃が旬で、とてもジューシーで甘みが強いのが特徴です。カンボジアに来たらぜひとも食べてほしい果物の1つです。前から廃棄部分が多いところが気になっていて、何かに使えないかと今回エントリーしました。
③バタフライティー
日本では「バタフライピー(蝶豆)」、カンボジアでは「バタフライティー」と呼ばれているお茶です。道端に咲いているこのような花を乾燥させ、お湯に抽出して飲みます。お店では、お茶単体というよりは、ミルクを加えたものが売られています。
飲むだけでなく、お菓子などの色付けにも使用されています(写真上側)。天然素材なので安心ですね。
この青色、なんだか期待ができそうということで今回エントリーです。
以上3つがそろったところでいよいよ実験開始です。
実験開始
お湯で煮てみたところ、さっそく色がでてきました。
抽出液はこんな感じです。ドラゴンフルーツの皮は、いちごシロップみたいです。伝えきれませんが、臭いは残念ながらシロップとはほど遠かったです・・。
↓ ドラゴンフルーツの皮
↓ マンゴスチンの皮
↓ バタフライティー
それぞれ色が抽出できました。
アルカリ性溶液は重曹をお湯で溶かした溶液、酸性溶液はお酢を準備。
(左から、重曹、重曹をお湯に溶かした溶液、バタフライティー、マンゴスチンの皮抽出液、ドラゴンフルーツの皮抽出液、お酢)
それぞれの抽出液にアルカリ性溶液、酸性溶液を加えると、pHが変化して色も変化するのか見てみました。
結果発表
①ドラゴンフルーツ
pHの違いによって、赤系のグラデーションがでました。酸性のほうがややオレンジがかっていました。
②マンゴスチン
ドラゴンフルーツの皮よりも色の変化に濃淡があって、pHによる色の違いは分かりやすかったです。桃色が、酸性で朱色、アルカリ性で茶色に変化していました。
③バタフライティー
コントラストがキレイにでました。色の違いも赤、青、緑と表現しやすいですね。
おススメは??
色の違い、価格、入手しやすさ、抽出しやすさ、保存性の5つの指標から、イチオシ◎3点、普通〇2点、やや懸念△1点で、合計点を算出し、私の独断と偏見でおすすめのpH指示薬を選んでみました。
以上より
一番のおすすめは
・・・・・
バタフライティー!!
バタフライティーは、pHによる色の違いは明確であり、実物を見せなくても人に伝えやすいという点が一番のオススメポイントだと思いました。またカンボジアのような年間の最高気温が30℃付近の地域では、生ものは腐りやすく3つの中で唯一常温保管ができるという点、お湯を注げばすぐ抽出できるという手軽さも高得点につながりました。紫キャベツは、酸性で赤~ピンク色、アルカリ性で緑色~黄色に変化するとのことなので、もしかしたら紫キャベツとバタフライティーの色の成分は近いのかもしれません。
カンボジアでバタフライティーを飲む機会がありましたら、ぜひレモンティーにして味だけでなく色も含めてpHの変化を楽しんでみてはいかがでしょうか。ちなみにこのレモンティーはメニュー表には載っていませんでしたが、特別に頼んだら作ってくれました。
以上、カンボジアのわくわくpHライフでした。
今回も読んでいただきありがとうございました。
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