JICA海外協力隊の世界日記

わくわく クマエだより

#2 わくわく エコな下水処理場

今回は、わくわくするシェムリアップ市の下水処理場をご紹介します。

この池、一見するとよくある公園の池ですが、、、

実は、この池の正体は下水なんです。

ここシェムリアップ市の下水処理場内にはこのような池が15個あり、下水を溜めておくだけで汚れを分解することができる仕組みになっています。この方式はラグーン式と呼ばれ、ここの処理場だけで20haの敷地(東京ドーム4個分、450m×450mの正方形、畳123千枚分を想像してみてください)があります。

航空写真.png

          処理場の航空写真(引用元:Google社「Google マップ、Google Earth」)

この処理場を支援している国際機関の1つ、ADB(アジア開発銀行)の資料を参考に解説すると、

池は3種類に分かれ、まず市内から流れてきた下水が第1の池に溜められます。

第1の池(嫌気性池)6個)

酸素が少ない環境下で、嫌気性の微生物によって汚れが分解され、第2の池に流れていきます。

第2の池(通性池)6個)

池の上層では太陽の光を受けながら藻が繁殖し、光合成によって水中に酸素が供給され、好気性の微生物によって汚れが分解、下層では酸素が少ない環境下で発酵が起こり、汚れが分解され、第3の池へ流れていきます。

第3の池(熟成池)3個)

太陽の力で糞便中のバクテリアやウイルスが死滅し、水が消毒されます。

ここまでくると、池の臭いもなくなり魚が元気に泳いでいる姿を見ることができます。その魚を捕まえに鳥たちもやってきたりとバードウォッチングも堪能することができます。

実際に水質検査しても汚れが分解しているのが数値で確認できます。

ここから放流された水が東南アジア最大の湖トンレサップ湖へと流れていき、農業用水や生活用水として再びカンボジアの人々に利用されます。

日本の下水処理場は、大型の機械や試薬を使って迅速に処理しているのに比べ、シェムリアップ市の下水処理場は、太陽や微生物などの自然の力を最大限に使って緩やかに汚れを分解しているのが1つの特徴です。

シェムリアップ市は、居住人口よりもはるかに多くの観光客が訪れており、その影響も無視することはできません。日本人も含め外国人観光客から出された下水の多くもここで処理されています。ラグーン式は、処理場の敷地面積が必要だったり、分解能力がそこまで高くなかったりという課題はありますが、シェムリアップ市内の下水の中身は、レストランやホテル、各家庭から出された生活排水がほとんどなので高度な処理施設は必要ありません。そして、人手や試薬代、電気代などもほとんどかからないので、維持管理しやすく、広大な土地があるシェムリアップの実情に合った処理場になっています。

日本人もお世話になっているこの下水処理場に何か力になりたいと思うこの頃です。

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