2023/11/21 Tue
文化 生活 観光
#17 カンボジアのバス事情「客貨混載」「貨客混載」
今回は、カンボジアのバス事情についてです。
カンボジアでは、移動の際、バスは多くの人に利用されています。プノンペンまでは、バス会社を利用しないと行けないかと思いきや、なんと郵便局からも行けるとの情報が得られましたので、日本では経験できないと思い、さっそくシェムリアップからプノンペンまで利用してみることにしました。
シェムリアップの郵便局に到着すると、すでにバスが待機していました。
こちらの郵便局では、1日3回プノンペン行きの便がでているようです。
何やら乗客以外のものと思われる荷物を積んでいます。荷物のスペースが十分に取られていて、かといって座席も狭くはありません。
いよいよ出発です。車の中はこんな感じです。
途中、中継地点の郵便局に停車して、EMS(国際スピード郵便)を現地の職員に渡したり、荷物を降ろしたりしていました。
トイレ休憩やお昼休憩もついていて、乗客にとったら通常のバス会社となんら変わりありません。
バスに揺られること約6時間、無事にプノンペンの郵便局に到着しました。快適な移動時間でした。
せっかく郵便局に来たので、カンボジアのオリジナル記念切手を購入しました。こんなことまでできるのは郵便局ならではですよね。
「客貨混載」「貨客混載」とは
「客貨混載」「貨客混載」は、貨物と旅客の輸送、運行を一緒に行う形態のことをいいます。日本の国土交通省は、貨物車で人を運ぶ場合を「客貨混載」、旅客車両で貨物を運ぶ場合を「貨客混載」と分けているそうです。カンボジアでは、今回のように郵便局が人を運ぶこともありますが、これとは逆に、バス会社が貨物を運ぶこともあるようです。空いたスペースを有効活用していてとてもいいですよね。毎回、貨物と旅客を一緒に運んでいるわけではなく、当然別々に運ぶこともあるようです。
知り合いのクマエに聞いてみると、「荷物を送る時、郵便局は国際郵便に対応できるなど便利なこともある一方で、都市部にしかなかったり、少し割高だったりしてあまり利用する機会は少ない。対して、バス会社による貨物輸送は、支店が村にもあるなど全国を網羅していて、さらに比較的割安ということもあり、こちらのほうを多く利用している」とのことでした。いずれにしろ、注目の取り組みです。
バス会社が荷物を積む時はこんなイメージです↓。
日本でも注目のワケ
日本では、人口減少・少子高齢化が進行しており、特に地方では、高齢化が進んでいて、移動手段の確保は喫緊の課題になっています。地域の足を支える乗合バスは、バスの運転手不足、輸送人員の減少、収支の悪化という厳しい状況が続いているようです。
私が特別派遣前訓練でお世話になった北海道の上士幌町では、自動車免許返納後など自家用車での自由な外出ができない住民を対象に、郵便局車両に人を乗せて住民を市街地まで輸送する「客貨混載」の実証実験を全国に先駆けて実施してきました。利用者からは「今後実用化されたらぜひ使いたい」との言葉がでているとのことでした。
「客貨混載」「貨客混載」とも日本では、これから注目の取り組みであることは間違いなさそうです。日本とカンボジアでは事情は違うにしろ、つながる情報が多いなと思うクマエライフでした。
今回も読んでいただきありがとうございました。
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