JICA海外協力隊の世界日記

わくわく クマエだより

#6 カンボジアの中国正月

中国正月が始まった

今回は中国正月の話。

カンボジアでは中国をルーツにもつクマエも多く住んでおり、クメール語で「中国正月」と呼ばれる旧正月(春節)が始まると街中がお祝いムードに包まれます。

赤色は縁起が良いとされ、お店の軒先が赤い提灯で飾りつけられたり、家の中ではこども達が赤い服を着たりと2023年の年明けに比べるとだいぶ賑やかな印象を受けます。

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アンコール遺跡の彫刻にも中国人(顎鬚を生やした人物達)を見ることができることから、この頃からカンボジアと中国との関係は深かったことが考えられます。

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中国正月を祝っているお家の中に入れさせてもらうと、そこにはご馳走とともにお線香があげられていました。

何でも午前と午後の2回にわたってお供えするらしく、それぞれに意味があり、午前には自分のご先祖様に対して家の中でお供えし、午後は身寄りがなく行き場のない霊に対して家の外でお供えをするそうです。

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また道端では、あの世でもお金に困らないようにとお金に似せた紙を燃やしている風景を見ることができました。

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100ドル紙幣バージョンも見たのですが、本物と変わらないくらい巧妙にできています。

お年玉を木にぶら下げるわけ

玄関の外にはクリスマスツリーらしきものが飾られていました。よく見てみるとそこには何やら赤い封筒が。

ご先祖様に宛てた手紙でしょうか!?

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正体はなんと

「お年玉」

現在は封筒だけらしいですが、その昔本当にお金の入ったお年玉がぶら下げられていたらしいです。

みなさんはなぜお年玉を玄関の外にぶら下げていたと思いますか。

実は、

近所の貧しい子供たちにもお年玉をあげるためにぶら下げており、子供たちはそこからお年玉をもらうことができたようです。

「家にたくさんのお金が入ってくるように願掛けしているんじゃないか」と考えていた自分が恥ずかしい限りです・・。

知り合いのクマエのお家では、現在でも中国正月になるとお年玉をもらいに近所の子供たちがやってくるそうです。

助け合いの精神は今でも引き継がれているんですね。

お正月の遊び

日本でお正月の遊びと言えば、福笑い、凧揚げ、かるたと言ったところでしょうか。

クマエのお正月の遊びといえば、代表的なものが「とらとひょうたん(クラ―クローク)」です。

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この遊びは、それぞれの面に「とら」「ひょうたん」「魚」「にわとり」「えび」「かに」が描かれたサイコロを振って何がでるのか当てるゲームです。ルーツに関係なく普段お世話になっている人達を家に呼び、食事を囲んで話をしたり、ゲームをしたりして、みんなでお正月を楽しみます。お正月には「ケンカしない」「悪口言わない」などの決まりがあるそうですが、このようなゲームもみんなで楽しく過ごすツールとして機能しているのかもしれません。

多様な文化・宗教

シェムリアップでは中国正月の他にもいろいろな文化を見ることができます。

町にはモスクがあったり、

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トンレサップ湖に浮かぶ教会があったり、

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そしてバレンタインデーにはお花を送ったりと

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特定の文化や宗教を排除するのではなく、さまざまな価値観が共存しているのがクマエの魅力なのかもしれません。

今回も読んでいただきありがとうございました。

また次回。

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