JICA海外協力隊の世界日記

ルワンダ支局ルラミラ通信

第10号 幼児の健康管理について

写真:月1回の幼児の身体測定(身長計測中)

Muraho!ルワンダ派遣中の富田です。

今号はルワンダで実施されている幼児の健康管理についてご紹介します。

任地のルラミラセクター内には27の村が存在していますが、 その各村には健康管理員(コミュニティヘルスワーカー)が3~4名ほど存在しています。


健康管理員は各村の住民の中から選ばれ無給の仕事ですが、ルワンダ国内のほとんどの村に存在しており、

・月1回開催される幼児の身体測定の実施と運営、

・幼児を持つお母さん達との共同調理の運営、

・住民への健康啓発活動を主導

をするなど、コミュニティ内の健康管理を行う大事な役割を担っています。

例えば毎月、幼児の身長・体重・腕回りを測定し、基準に満たなかった子どもの人数等が、健康管理員から村のヘルスセンター(保健所と診療所を合わせたような存在)に報告されています。

またルワンダにはUbudehe(ウブデへという所得カテゴリーが存在しており、低所得にカテゴリーされ、幼い子どもを持つ家庭には、毎月1回栄養補助食品が配布されたりしています。

ルワンダ全体で栄養不良児は年々減少しておりますが、もちろん地域によってばらつきがあり、首都キガリや地方都市部ではかなり減っているものの、幹線道路からも離れた村落部などはstunting(スタンティング)と呼ばれる発育阻害は多いと見られています。

写真2:健康管理員の男性が子どもの腕回りを測定中

各村で月1回身体測定が行われていることを知ってから、ルラミラのいくつかの村の身体測定に参加して回りました。

すると身長、体重、腕回りは正常で、一見問題ないのですが、日本の同年齢(3~5歳ぐらい)の子どもと比較して、お腹が出すぎている子どもが多いことが気になり始めました。

専門的な判断はできないのですが、おそらくタンパク質不足が影響していると思われます。卵やお肉は高級品であるため、食卓にあがる頻度が月に1回あるかないかという家庭も多いとみられます。多くの家庭で栽培されているインゲン豆(キドニービーンズ)が唯一のタンパク質源となっています。

(地方ではゆで卵売りがおり、卵はゆで卵として食べる人が大半。1個100RWF(約13円)。しかし、1家庭の子どもが4~5人は当たり前な農村部では、毎週子ども全員分の卵を買える家庭はほとんどありません。)

またお腹を満たすことが優先となるため、キャッサバやグリーンバナナ、イモ類などの炭水化物と野菜を少し入れた1品料理が多く栄養が偏りがち、食事のレパートリーが日本に比べると非常に少ないです。

写真3:共同調理の日。お母さん達が野菜を持ち寄り、野菜盛りだくさんの料理を仕込み中。

そこで、幼い子どもを持つ村のお母さんたちに新しいレシピ・ゆで卵以外の卵の調理法を知ってもらえたらと、1月から共同調理の日にクッキングレッスンを始めてみました。

クッキングレッスンの実施報告については、次号詳しくご紹介したいと思います。

Murakoze!

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