JICA海外協力隊の世界日記

ルワンダ支局ルラミラ通信

第12号 一時帰国&手洗い意識の変化

Muraho!(こんにちは。)

新型コロナウイルスの影響で全JICA海外協力隊員が緊急一時帰国となり、ルワンダ隊員も3月下旬に無事全員帰国しました。
現在日本におりますが、引き続きルワンダでの経験や体験をお伝えできたらと思います。

今回の帰国に関して、ルワンダでは3月18日の夜に『20日深夜から 商用旅客便を30日間停止』する旨が発表され、ルワンダ隊員のフライトスケジュールは、それを踏まえることとなりました。地方隊員は翌19日には首都に移動し、全員20日のフライトに搭乗することができました。

3月14日にルワンダ国内で1人目の新型コロナウイルス感染者が確認された時点で、以下のような措置が発表されていました。
・礼拝所の一時閉鎖
・2週間の学校休校
・大規模な集会や結婚式の延期
・不要不急な移動は控えること 等

さらに、感染者が10人を超えたところで旅客便の全停止が実施され、私たちが帰国した後にさらに厳しい移動制限や交通手段の規制、上記措置の延長が発表されています。
(4月8日時点で確認された感染者数は110人となりました。ルワンダ住民の足であるバイクタクシー、公共バスはほとんど停止し、実質の移動手段は徒歩のみの状況です。)

私の任地では自宅に水道管が引かれている家庭がゼロのため、常に流水で手洗いができる環境ではありませんでした。

また、周辺住民の日常生活を見ていても、衛生観念が強いとは言えない状況でした。医療に関して、農村部では首都よりも脆弱となることは政府も十分に理解しているがゆえに、早い段階から強い措置を取りはじめたことは納得できます。

突然の帰国決定で戸惑いや寂しさ、これまでの活動に対する後悔や反省など様々な感情が急にこみ上げてきましたが、
交通手段がストップし飲用水を購入しに行けない、任地で購入できる食材が限られている等の状況を踏まえると、外国人である自身の生活はかなり厳しい状況になっていただろうと想像します。帰国の判断をしてもらって良かったと思っています。
(任地の住民は自給自足、湧水や井戸水を利用しています。)
フライト手配等々、徹夜で全ルワンダ隊員分の対応を行って下さった職員の方々には本当に感謝しています。

さて、私が帰国する前までに、新型コロナウイルスの拡大が任地にどのような変化をもたらしたのかについて記したいと思います。


2月の中旬頃から、新型コロナウイルスの感染者数が世界的に増加しはじめたことを受けて、下写真の簡易手洗い器がほぼ全国の郡庁オフィスの入口、セクターオフィスの入口、バスターミナル等に出現しはじめました。
私が働くルラミラセクターオフィスでも同時期に突如設置され、出勤しオフィスに入る前には手洗いするように促されるようになりました。

写真2:カヨンザ郡庁の入口に設置された簡易手洗い器。足元の黒いポンプを踏むと水が出る仕組み。(2月中旬撮影)

3月14日にルワンダで最初の感染者が確認された翌日、近所には手作りの簡易手洗い器がいくつか設置されていました(写真3)。

写真3:近所に設置された住民自作手洗い器(Tippy Tap)。10m置きぐらいに設置されていて驚き。(3月15日撮影)。

これは『Tippy Tap』と呼ばれ、小さいポリタンク(子どもが水汲みに使っています)、木の棒、紐を使って作ることができる簡易手洗い器です。ポリタンクと木の棒を紐で結び、棒を踏むことでタンクが傾き、水が出る仕組みです。

Tippy Tapは水道水がないアフリカ農村などで、『お金をかけずに身近なもので作製できる手洗い器』として広く知られています。

任地の多くの人々はTippy Tapを以前から知っており推奨したこともありましたが、差し迫った必要性を感じなかったため作らなかったのだと思います。

最初の感染者が確認された後、大統領自身が手洗いを行う動画をTwitterなどメディアで流し、農村住民の情報源であるラジオでも頻繁に手洗いが励行されるようになりました。

ただご近所さんたちの手洗いの仕方を見ていると、人それぞれ…。

「これを機会に正しい手洗い方法も合わせて周知したい…!」と思い、翌日から手洗い方法のポスターを張り始めた話は、また次号で。

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