JICA海外協力隊の世界日記

ポランポラン ウガンダの心地よい病院を目指して

病棟から消えたベッドマット

今回は、「病棟から消えたベッドマット」と題し、ウガンダの病院環境の現状を書きたいと思います。私の活動しているジンジャ地域中核病院は、公立の病院であり、ジンジャ県を中心とした周辺の県も管轄する大きな病院です。日本で言う、「関東地方を管轄する公立病院」というとわかりやすいでしょうか?役割としては、日本の大学病院のように、研究場所であったり、学生の受け入れ先であったりします。

そんな私の配属先で、突然病棟からたくさんのベッドマットが消えました。

残されたのは、壊れかかったベッドフレームだけ。。。

いったいベッドマットはどこに行ったのでしょうか???

ドクターとナースがベッドマットを探します。

ありました!!!!!

ベッドマットが病棟の外に投げ出されています。これはどういうことなのでしょうか。

写真に写っているベッドマット中央に大きな穴が開いているのが見えるでしょうか?ベッドマットは使い古され、カバーが破けています。ちょうど患者さんのおしりのあたる位置に穴が開いてしまっています。こうなると、汗をかいたり、食べ物をこぼしてしまったり、ベッド上で排泄する患者さんのいますので、ベッドマッドは様々な理由により湿り、汚染され、強いにおいを発し、虫が寄ってくるようになります。

いくらただで治療を受けられるからといって、こんなベッドマッドの上に寝たいと思いますか?せめてマットを乾かしたいと、患者さんの家族がベッドマットを外に出して、天日干しをしていたのだそうです。このベッドマットは見つけられてからすぐに病棟に戻されました。

快適な病院環境を作るのも5S活動の1つですが、実際にこんなベッドマッドでは、いくら5S活動をしても、感染管理委員会が動いても、なかなか快適な病院環境は整えられません。この状況はすべてのスタッフが把握しており、医院長も知っています。新しいものを購入する必要があるとみんながわかっていますが、お金がないのです。他にも直さなければならないレントゲン、不足している手袋やマスク、治療のための薬剤。何を優先して患者さんを、スタッフを守り、医療を提供していくのか、とても難しいことだと感じます。

こんな厳しい環境下でも、スタッフはいつも穏やかで、患者さんに前向きな姿で接しているのを見ると、とても感化されます。今後も、少しでもこの病院が綺麗で快適な病院になるよう活動していきたいと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。Webare Nyo!

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