JICA海外協力隊の世界日記

ポランポラン ウガンダの心地よい病院を目指して

伝染する5S

前回の記事ではショウケース病棟として私が一緒に働き、活動した病棟を紹介しました。今回はウガンダ人が自主的に5Sに取り組んだ活動を紹介します。

こちらは小児科師長さんのオフィスです。ウガンダの公立病院は、薬のほとんどが他国からの寄付です。欲しい薬の種類と数を請求することはできますが、配分する薬は国のナショナルメディカルストアがすべて決めています。請求しても「あるときはあるけど、無いときはないよ!」という状態。それを恐れる医療者は、病院の中央薬剤貯蔵庫以外に、病棟、師長室など至るところに小さな薬剤貯蔵庫を作って保管しています。

この写真はその一つ。小児科の師長さんの部屋に「緊急常備薬」として多くの薬を貯蔵しています。日本の「救急カート」や「常備薬庫」とは比べものにならないほどの数の薬を保管しています。ここの師長さんが私の5S活動に興味を持ち、声をかけてくれました。「私は真剣よ!整理することで、走り回らなくてすむし、緊急の薬をすぐ患者さんへ渡せるし、在庫管理も一目瞭然!」と、熱く語ってくれました。そこで、5Sマネージャーとカウンターパートを引き連れ、小児科病棟へ。2日ほどかけて、ぐちゃぐちゃな部屋を掃除しましたが、まぁ、終わらない。私も忙しくなり、1週間ほど小児科病棟へ行くことが出来ませんでした。

しかし、1週間後行ってみると。。。。

!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「できるじゃないか!」看護学生の力を借りてここまできれいにすることができました。結局私の活動のキーとなるのは、「師長のリーダーシップ」と「看護学生の協力」なのだとわかりました。

そしてなんとさらにうれしかったのは、これです。小児科病棟にはイギリスから小児科医がヘルプでボランティアに来ています。彼女が5Sの活動に賛同し、救急カートを作りました。ウガンダの病院は敷地は広いですが、薬を貯蔵するような棚やカートが少ないのです。これは壁に小物入れをかけ、そこにラベルと写真を貼り、救急薬剤をセットしました。

ウガンダに来て半年、ジンジャ病院に来て4ヶ月、依然として病院の状況に大きな変化はありませんが、こうやって少しずつ5Sの活動が広がっていっていることが、救いです。人の行動を変えることは難しですが、根拠と必要性を説明し、上手に現地の人と協力することで、賛同者が増え、病院がより快適な場所に変わっていけばいいなぁと思います。

長文読んでいただき、ありがとうございました。Webare nyo!(thank you very much)

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