2016/09/28 Wed
文化
ひつじ犠牲祭2016 ~序章~
9月12日
イスラムの大きなお祭り“ライード”に参加させてもらいました。
ライードとは、ラマダン(イスラム教徒の五行のうちの一つ)と並んでとても重要な行事だそうです。生きた雄のひつじを神様に生贄として捧げますが、その時は日本のお正月のように親族が集います。
同僚からお誘いを受けたので、彼の家族と一緒に、故郷への里帰りについて行かせて頂きました。
任地からはバスで3時間、ウェッザンという街に着きました。普段は落ち着いた街なのだそうですが、このお祭りのためにモロッコ各地から帰省してきた人で溢れかえり、活気に満ちていました。
道を少し歩くだけで、ひつじ、ひつじ、ひつじ、やぎ、ひつじ、うし、ひつじ…
あちらこちらに犠牲祭のための生贄が荷台に積まれて運ばれていきます。
やぎは、お金の無い人、または最近では健康志向の人が脂肪が少ないからという理由で選ぶこともあるとのこと。うしはお金持ちの人が買うそうです。
ひつじって、メェ~と可愛らしく鳴くと思っていたのですが、実際聞くと、ギェ~とかグェ~だとか、もっとドスの効いた感じに聞こえます。モロッコのひつじがそういう種類なのでしょうか?はたまた、彼らはこの後の自分たちの運命を悟っているのでしょうか…?
ライード当日の朝。白いジュラバ(伝統衣装)をまとった人々が、お祈りのためモスクへと向かいます。私はその様子を同僚とカフェで眺めていました。
私「今日のお祈りはいつもと違うの?」
同僚「あぁ、お祈りの後、最初のひつじをモスクでやってから、みんなそれぞれ帰って家でやるんだよ」
私「へぇ、あなたはお祈りに行かなくていいの?」
同僚「ははは、僕はいつだってお祈りしないさ」
その後、同僚のお兄さんも合流し、彼もまた、
私「あなたはお祈りに行かなくていいの?」
同僚のお兄さん「ははは、僕はいつだってお祈りしないさ」
3人でコーヒーをすすりながら、白い人々が家路につくのを待ちました…。現代のムスリムは、各自スタイルがあるようです。
さて、いい頃合いで私たちも家に戻り、ついにその時が迫ってきました。
ひつじは屋上テラスで変わらず元気にギェ~と鳴いています。
ひつじの運命やいかに…
つづく
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