JICA海外協力隊の世界日記

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10.日本大使杯柔道大会②

Boa tarde!!(こんにちは)

前回に引き続き、日本大使杯柔道大会についてお話させていただきます!

-試合

実は、今大会、私も選手として出場させていただきました。

相手は8月末、東京で開催された柔道世界選手権にも出場したモザンビーク代表の女子選手。

彼女のレベルに相当する女子選手が国内にいないということで駆り出されましたが、実は私と彼女は階級が3つも違います。私のほうがはるかに圧倒的有利な状況でも試合を行う選択をした彼女は素晴らしい柔道家だと思います。私自身、数年ぶりに試合に参戦して、試合前の緊張感に身震いしました。試合出場を通して練習時にどれだけ本番を意識して練習を積めているかの大切さを実感しました。限られた時間の中で自分の勝ちパターンに基づく試合構成をすること、緊張の中でも焦らず丁寧にひとつひとつ、組手や技を繋いでいくこと、立技から固技への移行を素早くすること、やはり選手を指導するためには選手と同じ状況を経験する必要性を強く感じました。試合は無事、一本勝ちすることができました。

-コーチとしての気づき

本大会にはいつも指導している孤児院の子供たちも出場しました。

正直、彼女たちの成長に私が驚かされました。私が思っているよりも彼女たちは強くなっていました。と同時に、彼女たちを信じていると公言しながら、本大会に不安を抱いていた自分の存在に気づき、情けなくなりました。他クラブのコーチたちはもちろんポルトガル語で指導を行っています。私のつたないポルトガル語に加え、(孤児院の責任者の入れ替わりにより、)以前より短く限られた練習時間に変更されたため、正直他クラブとの差が広がってしまっているのではないかと考えていました。しかし、彼女たちはその不安を吹き飛ばすかの如く、出場者全員が入賞、中には1位2位を独占した学年、階級もありました。優勝に届かなかった子も、以前はすぐ投げられていた相手と対等に組みあい、技をかけることができていました。この喜びはきっとあの会場にいた私にしかわからなかったものだと思います。今後も彼女たちの自己肯定感を育みながら、練習に励んでいく所存です。

-準備に関する課題

本大会、無事に終了しましたが、やはり準備に関していくつもの課題が見つかりました。対戦表、会場準備等、前日に急に招集がかかり、行われるため、私含め連盟の同僚はほぼ徹夜状態でした。また予算も不透明で、信頼性に欠けるものでした。まだまだよりよい大会運営のためには、課題が山積みであると感じました。ひとつひとつの大会運営に携わり、少しずつ課題をつぶしていけたらと思います。

本大会は、参加人数、プログラム構成、初心者から国際大会経験者まで参加するというレベルの幅広さ、審判育成、日本文化紹介等、様々な面からとても素晴らしい大会であったと感じています。一方で、責任者が変わった私の孤児院では「参加費」をめぐり、大きな問題も発生しました。初めて同僚達の前で大号泣しました。

途上国ではお金や権力のせいで機会を奪われることが多々あります。日々様々な葛藤を抱え、生きていますが、今、手にしている機会(チャンス)を大切にしなければならないと強く感じます。それと同時に、機会(チャンス)が来た時に、活かしきれるよう、それ相応の準備を常に心がけなければならないと感じました。

今回は国内大会の報告をさせていただいたので、次回は国際大会の報告をさせていただきたいと思います!

では!Tchau tchau!!

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