JICA海外協力隊の世界日記

Madamadamadagascar!

マダガスカルで稲作技術普及

私の任地であるヴァキナンカラチャ県では10月後半より梅雨が始まり、稲作の時期となりました。JICAの技術協力プロジェクト「コメ生産向上・流域管理プロジェクト(PAPRiz)」(以下PAPRiz)の普及活動も本格的に始まりました。PAPRizとは、中央高地のコメの増産を目標として、2009年にJICAが協力して立ち上げたプロジェクトです。コメの生産性向上のための「技術パッケージ」の開発をはじめ、種子の増殖・配布体制の整備、コメ生産技術の指導体制の整備などに取り組んでいます。

私の要請内容は主に、配属先であるDRAE(県農業・畜産局)の職員や県・市レベルの普及員と協働し、PAPRizの技術パッケージの普及活動を行うことです。

正直に言うと、最初にこの要請内容を見た時には、農業経験も知識もない私に務まるのだろうかと、とても不安に思いました。しかし、対象地域の農家を巡回し、課題をヒアリングしているうちに、PAPRiz技術を用いてその課題を解決していく活動スタイルは、以前勤めていた地域密着型の広告営業と似た部分があると思えるようになりました。

PAPRizでは、普及のための教材として、国民的喜劇俳優のラコトソン・ツァラファラさんをイメージキャラクターとして起用し、制作したVCD(※ビデオCD。CDに音声と動画が保存できるメディア)があります。そこで私は、PAPRizの普及活動として、まず多くの人にPAPRizの理論に触れてもらうため、農村部にある簡易映画館、市役所などで上映会を開催しています。喜劇俳優を起用したVCDはユーモアに溢れており、物語を楽しみながら稲作技術について学ぶことが出来ます。

※PAPRiz技術普及用教材については以下のURLからご確認いただけます。

https://www.jica.go.jp/project/madagascar/0700698/materials/01.html

先日は、市役所で書類申請のために集まっている市民の待ち時間中にVCDを放映したことで、多くの人に観てもらうことが出来ました。(写真上) 

次のステップとして、視聴会で記載してもらった参加リストを元に、後日PAPRiz技術導入の希望のあった農家に訪問し、種の選別や苗床作りなどの実践を行います。また、同任地の農業機械訓練センターで活動をする隊員と協働し、除草機等の農機具のデモンストレーションも行う予定です。稲作に関する知識のない私に出来ることとしては、頻繁に田圃を巡回、農家の話を聞き、自身でも疑問に思ったことはPAPRiz専門家、DRAE職員に質問することで、関係者を繋ぐ橋渡し的な役割なのではないかと感じています。

今の時期は毎日のように農家さんの田圃で田植えのお手伝いをさせていただいています。

(写真上:PAPRizの技術パッケージでは、苗が均一に育ち、その後の農作業を能率的に行えるよう、20cm×20cmの間隔の正条植えを推奨しています)

日本では田圃に入った経験もありませんでしたが、マダガスカルの農家の方に教わりながら、手作業で一つ一つの苗を植えていると、農家の方の苦労が偲ばれます。丹念込めて育てた稲が実り、収穫の時期を迎えるのが今から楽しみです。

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