2016/09/23 Fri
活動
かまどづくり
月に一回、家庭の経済的な事情で学校に通えず、家の手伝いをしている13~17歳の子供たちに対して農業技術を教えているNGO、「Sarobidy」で活動をしています。現在までに、ダンスや日本語、折り紙等を教えてきました。
以前、子供たちからお菓子作りを習いたいとの要望がありましたが、調理ができるような「かまど」がなかったので、同じ任地で活動している先輩隊員と共に、アンツォアタニ市でJICAの技術協力プロジェクト「コメ生産向上・流域管理プロジェクト(PAPRizⅡ)」や生活改善の活動をしている普及員に依頼して、かまど作りの講習会を開催しました。
この「かまど」は、約6年前にブングラバ県で村落開発隊員(現在の職種:コミュニティ開発)として活動していた隊員が、同じ県内で活動していたピースコー(アメリカのボランティア)と一緒に、群馬県にあるNPO自然塾寺子屋で習った改良かまどをヒントにして考案され、普及されたものです。村落部ならどこででも無料で手に入る材料(粘土、赤土、灰、藁、水)でつくれるように工夫・改良されています。その「かまど」は、当時の隊員の名になぞらえ「カマド ヨウコ」と名付けられました。
※当時の隊員の活動についてはJICAホームページ、以下のリンクからもご確認いただけます。
「宇宙人の改良かまど普及大作戦」
http://www.jica.go.jp/chubu/topics/2011/110929_01.html
「カマドヨウコ」は従来の三石かまどと比べ、
1.薪の使用量が約1/3に減少する。
2.調理時間が約2/3に短縮できる。
3.保温がきく。
4.煙が減るため、眼病予防になる。また、部屋、鍋が汚れにくい。
5.常に火を見ている必要がなく、調理の間に他の仕事が出来るようになる。
といった利点があります。
かまどの作り方は、
1.赤土と灰をふるいにかけ、ゴミや砂を取り除く。
2.①と粘土、わらをよく混ぜる。
3.水を少しづつ加える。
4.足を使ってねばりが出るまでよくこねる。
5.粘土や赤土の塊がなくなるまでよく混ざったら、縦長の泥団子を作る。
6.鍋を下に置き、その周りに泥団子をくっつけていき、15cmの高さまで泥で壁を作る。
7.2本の竹をかまどの口と並行に並べ 、煙の排出口を作る。
8.壁の高さが30cm程になるよう、さらに泥をのせる。
9.壁を少し 削り 、泥で作った 足を3つ壁に取り付ける。
10.日陰で1~2週間乾燥させ、完全に乾いたら完成!
足でこねる作業は順番待ちが出来たり、途中で粘土細工を始めだす子が現れたり…皆楽しみながら作業していました。
1か月後、「かまど」が完全に乾燥して、完成しました。同じ任地で果物加工や生活改善の活動をしている先輩隊員が、そのNGOに対して、バナナと人参を使ったケーキの講習会を開催しました。子供たちは、自分たちが頑張って作った「かまど」で、美味しいケーキが作れたことに大満足の様子でした。今後も、「かまど」を使って色々な料理の講習会を行うことが楽しみです。
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