2016/09/30 Fri
活動
マダガスカルと日本語
マダガスカルでは1970年より日本語教育が始まり、2011年に日本語教師会が発足、2013年からはJLPTが開始され、近年アフリカにおける日本語学習者数がケニアを抜き最多となりました。
国際交流基金のHPには、「日本の対マダガスカル経済協力、広報文化活動が高く評価されていることから、同国民が抱く日本への期待や日本留学等の憧れも強い上、マンガ・アニメを中心とする日本のポップカルチャーの世界的普及も相まって、日本語学習が盛んになってきている。」と記載されており、確かに一万km以上離れたこの島国においても、日本のアニメの影響力の強さを実感させられることが多々あります。特に、忍者を描いたアニメ『NARUTO -ナルト-』は殆どの人が知っており、プスプス(マダガスカルの人力車)の背にも、その絵が描かれているほどです。(写真上)
マダガスカル最大の国立大学であるアンタナナリボ大学では、英語学科の選択科目として日本語が学ばれており、平成26年度の草の根文化無償資金協力で日本語学習のための校舎が建てられました。この大学で活動している隊員(日本語教育)もいます。
農村部においても、「日本語教室を開催してほしい」という声をよく耳にします。
私も要望に応えるべく、日本語教室を開催し始めました。まずは、簡単な挨拶を覚えてもらうために紙芝居形式の教材(表にマダガスカル語が書いてあり、めくると日本語が出てくる:写真上)を作成しました。10代の若者は特に意識が高く、毎回きちんとノートをとり、次に会ったときには日本語で挨拶をしてくれるのでとても遣り甲斐を感じます。
日本語を学びたい理由は、「アニメが好き」「武道が好き」「テクノロジーがすごい!」等、様々。こちらが気恥ずかしくなってしまいくらいに、日本人の勤勉さや丁寧さを称賛する人もいました。
また、マダガスカルでは日本アニメやK-POP、韓国ドラマ、中国産の電化製品が浸透していることからアジアへの関心は高いものの、「日本と中国、韓国の違いが分からない」という人も多くいらっしゃいます。
そこで、視覚的にそれぞれの特長を理解してもらうために、日本、中国、韓国の食事や衣服、町の様子等の写真を印刷してカードにし、何が何処から来たのか考えてもらうゲームも取り入れてみました。
10月からは、既に日本語の日常会話を習得している現地の方と協働して、任地にあるカルチャーセンターにて、日本語、日本文化の紹介を定期的に行っていく予定です。
車や電化製品のテクノロジー、アニメや武道などから、多くのマダガスカル人に知られ、関心を持たれている日本。その日本の魅力をより多くの人に伝えることで、日本を好きになってくれる人が少しでも増えたらいいな、と思っています。
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