JICA海外協力隊の世界日記

カシシで牛を飼う

#13 低脂肪牛乳で新商品開発

↑ 餌槽の下で涼む子牛

暑い。

雨はたまに降るものの、本格的な雨期という感じでもなく、晴れると気温はあっという間に30℃を超します。

↑ 珈琲ゼリーを砕いて低脂肪乳と混ぜた飲み物

今回は余剰の低脂肪牛乳についてのお話。

配属先では牧場で生産した生乳をチーズ、ヨーグルト、クリームなどの乳製品に加工して販売しています。

牛乳中の脂肪分を集めたものがクリームです。そして脂肪分を取り除いた牛乳が低脂肪牛乳です。

この低脂肪牛乳はそのまま販売されたり、ヨーグルトの原料となります。

あるときクリームばかりが売れて、他の商品の注文がほとんど入らない時期がありました。

クリームを作れば作るほど低脂肪牛乳が余りました。

他の乳製品に加工すればコストがかかり在庫が増えるばかりです。

低脂肪牛乳を豚の飼料に混ぜることもありました。

この低脂肪牛乳を別のもので売れないか、と考え2つの新商品の提案をしてみました。

珈琲ゼリーを砕き低脂肪牛乳と混ぜた飲み物と牛乳プリン、です。

どちらもゼラチン以外は配属先にあるものを使いました。

↑ 試食会

試食会には配属先職員が参加し、ザンビア人の他にコンゴ人、デンマーク人、ドイツ人が含まれます。

自国で類似商品を見たことがある人はいませんでした。

ジャパニーズデザートだ、とはやし立てられました。

説明後、試食する段になるとみな恐る恐る口に運んでいました。

そして沈黙。

いただいたコメントは、ゼラチンが何か分らない(そういえばザンビアでゼリーを見たことがないような)、珈琲が冷たいのは好みではない、牛乳プリンは好き、など。

美味しいという感想を期待していなかったと言えば嘘になりますが、それ以上に、日本人以外に試食をしてもらいその表情をみたりコメントを聞くことは大変に面白い経験でした。

今回の試作品は商品にはなりませんでしたが、そうこうしている間に市場のクリームブームは去り、低脂肪牛乳が余ることはなくなりました。

しかし同じことがまた起こらないとはいえません。未だに余剰の低脂肪牛乳に対する解決策はないままです。

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