JICA海外協力隊の世界日記

カシシで牛を飼う

#20 Keep Zambia Clean

↑ パドックの外、民家近くを歩く子牛

生き物を飼っているとその死に直面することがままあります。

家畜の場合は傷病死が多いです。

配属先では、牛が死ぬと危険な伝染病を疑わない場合は解剖を行い原因究明に努めます。

ある時、子牛が死にました。

突然死です。悲しんでばかりもいられないので、解剖を実施しました。

肺の中に食渣がみられたため、死因は誤嚥性肺炎と診断しました。

牛の胃からはビニール袋が出てきました。

肺炎の直接要因と断定は出来ませんが、悪影響があったことが考えられます。

↑ 死亡した牛の胃の中からでてきたビニール

2023年の死亡牛の内、3頭が誤嚥性肺炎でうち2頭の胃からビニール袋の様なものが出てきました。

また鼓脹症を呈し死亡した牛の胃からもビニール袋の様なものが出てきました。

対策として、敷地内のゴミ拾い、パドックの柵の補修を行うことにしました。

↑ ゴミ拾い

身近に接するザンビア人の多くは、ゴミを路上に捨てます。

ピーナッツの殻、お菓子の袋、ペットボトルなど、それらを路上に捨てることに抵抗はないようです。

ペットボトルについては、誰かが拾って再利用するから積極的にポイ捨てする、との意見もありました。

そんな環境で育った職員たちに、ゴミ拾いをしようと言って理解が得られるのか疑問でした。

そこで行動につなげるために3つの工夫をしました。

1解剖を一緒に行い何が死因かを一緒に考える

2一緒にゴミ拾いをする

3Keep Zambia Cleanという言葉を使う

3番目のスローガンは食品の包装にも印刷されており、知名度のあるスローガンのようです。

職員たちは仕事が増えることにめんどくささを感じているようでしたが、コンセプトは理解してもらえたようで定期的にゴミ拾いを実施できるようになりました。

SHARE

最新記事一覧

JICA海外協力隊サイト関連コンテンツ

  • 協力隊が挑む世界の課題

    隊員の現地での活動をご紹介します

  • JICA 海外協力隊の人とシゴト

    現地の活動・帰国後のキャリアをご紹介します

  • 世界へはばたけ!マンガで知る青年海外協力隊

    マンガで隊員の活動をご紹介します

TOPへ