JICA海外協力隊の世界日記

モロッコ・ノスノス日記

送別会

「JICAボランティアあるある」

配属先であるセンターのセンター長の交代です。

センター長は、各県に「家と車」が用意されているため、異動はよくあることみたいです。

どこの国でも2年間活動をしていると、関係者の交代はよく聞きます。

モロッコに赴任して約1年、大切な人との初めてのお別れです。

シディカセムに着任したその日から、センター長は、生活のサポートや仕事のサポートをしてくれました。

JICAボランティアを受け入れることは、メリットだけではないと思います。

配属先には、様々な負担もあります。

通常業務でも忙しいセンター長なのですが、着任時は必要書類の作成などがありました。

他の人に依頼するのではなく、センター長が用意してくれたことを覚えています。

いつも私の昼食を心配してくれて、サンドイッチやハンバーガー、チキンなどを用意してくれました。

(これは他の人に依頼してます。支払いはセンター長です。)

シディカセムの隣の県にセンター長は住んでいるため、

「クスクス(食べ物)」や「ハマム(公衆サウナ)」が好きだというと、同僚に声をかけ、同僚のお家の食事や同僚のお家への宿泊を手配してくれました。

毎日顔を見せないと怒られ、滞在時間が少ないと文句を言われ、そんな1年間を送ることができたことは、とても幸せでした。

JICAボランティアの要請を出してくれたのもセンター長です。

彼がいなければ、私は今ここにいません。

「送別会」は関係者が企画し、盛大に行われました。

センター長の入場から始まります。

センター長も女性職員もすでに泣いていて、ちょっとびっくりです。

始まりの言葉から、リレー方式でセンター長に感謝の言葉が贈られます。

私もと勧められましたが、言葉を考えているうちに次のイベントに移ってしまいました。

こういう時に、言いたいことが言えるように、『語学を勉強しよう』とやる気になります。

記念品の贈呈とケーキカットです。

ここから写真撮影会の始まりです。

テーマパークのキャラクターのように、順番待ちをして写真を撮ります。

こういう光景をみると、センター長がどれだけ愛されていたかがわかります。

私もちゃっかり写真撮りました。

その後1週間、残っている業務のためにセンターに毎日出勤してきました。

同僚の女性たちは、引き継ぎ手続きが終わった日に泣き、最終日の昼休憩前にも泣いていました。

その度にびっくりしている私は、泣くタイミングを失ってしまいます。

本当にこれが最後だなと思った時、言えなかった感謝の言葉を伝える事ができました。

私もウルウルきていたのですが、そばで聞いていた女性の同僚が号泣していました。

モロッコ人の感情の豊かさを感じました。

モロッコ国内をよく旅行する私からすると、センター長の新しい赴任先は、決して遠すぎません。

毎日は会えなくなりますが、永遠の別れではありません。

残り1年の間に、絶対に訪問すると約束しています。

新しい県のセンターでも、すぐにみんなから愛されるセンター長となり、バリバリ仕事をしている姿が想像できます。

私のセンターは、新しいセンター長がまだ着任しないので、センター長不在のまま新年度が始まります。

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