2019/05/30 Thu
文化
ラマダン・時間
前回は、「モロッコの時間」主にタイムゾーンについて、お話しました。
今回は、「モロッコのラマダンの時間」について、お話していきます。
上の写真は、午前中のカフェとハヌート(モロッコのコンビニのような店)の様子です。
モロッコのお店は、通常日本よりも遅い時間から営業するイメージを私は持っています。
ただ、この2つの業種だけは朝7時ごろから営業しており、いつも早くからお仕事しているのだなと思っていました。
そして、どこも繁盛しています。
『ラマダン』期間中は、様々な仕事の就業時間が変更になります。
日中は飲食ができないので、カフェの営業は日没後からです。
他のお店も14時ごろ行くと閉まっていることが多いので、15時ごろから徐々に開店し始めるようです。
人々が動き出す、夜に合わせて営業しています。
私の活動も例外ではなく変更されます。
お店とは逆の時間変更です。
通常、9:00〜11:30と14:30〜17:00の授業時間となっており、午前と午後で2時間半ずつなのですが、
『ラマダン』期間中は、9:00〜14:00の昼休憩のない授業時間になっています。
昼食を食べる人が誰もいないのだから、その時間を除くというのは、とてもシンプルな考え方なのかもしれません。
しかし、授業の質が変わるなと思っています。
もともと私のセンターでは、授業中に5分休憩などの休憩時間がありません。
日本の専門学校では、当たり前の休憩時間がないのです。
生徒のオン・オフの切り替えが難しいように思っていますが、日本の専門学校と違い、生徒同士が練習台になるので、授業時間内に、「やる側」と「やられる側」になることで、成り立っているように思います。
『ラマダン』期間中の5時間授業となると、話は変わってきます。
講義と実践など、先生も工夫を凝らしますが、飲まず食わずで、しかも5時間通しでの授業は、集中力が続きません。
休み時間があれば良いという問題でもないように感じます。
私は、まだまだ『ラマダン』初心者なので、集中力が切れやすいのかもしれません。
ただ、同僚の先生も生徒もいつもの60%くらいのエネルギー量な気がします。
『ラマダン』期間中60%のエネルギーで生活するというのも、イスラム教の文化ではないかと思っています。
14:00に仕事が終わることは、ちょっと嬉しいです。
しかし、お店も営業しておらず、何も口にできないので、できることは1つしかありません。
「昼寝」です。
寝ていれば、飲食しないし、時間は勝手に過ぎてくれるし、一石二鳥なのです。
フランス語やダリジャ語(アラビア語モロッコ方言)の勉強をすれば良いのにと思うことは何度もあるのですが、午後にはエネルギーが残っていません。
暑い日は、活動先から自宅に帰るのさえ、倒れないかなと心配しています。
日没後は、待ちに待った動き出す時間です。
カフェも大盛況です。
近所のハヌート(モロッコ版コンビニ)も通常は20時くらいまでですが、24時くらいまで営業しています。
『ラマダン』を経験して、食べること飲むことは本当に大切なことだなと実感しています。
『ラマダンの時間』は、日没を知らせるアザーン(モスクからのお祈りの時間を知らせる放送)が中心になっているように思います。
日没までどう過ごすのか。
イスラム教徒の方は1日5回のお祈りをしているので、私とは感じている『ラマダンの時間』が違うかもしれませんが、ラマダン初心者であり、なおかつイスラム教でない私にとっては、日没を知らせるアザーンが『ラマダンの時間』の全てと言っても過言ではないくらい重要だと思っています。
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