JICA海外協力隊の世界日記

モロッコ・ノスノス日記

ラマダン初心者

2019年6月4日に、モロッコの『ラマダン』が終わりました。

今回は『ラマダン』期間中に、モロッコで生活していた私の体験記をご紹介したいと思います。

『ラマダン』の始まる2週間くらい前から、同僚や友達と話をしていると、いつの間にか『ラマダン』の話になります。

いつでも話題の中心になるほど、『ラマダン』はモロッコの人々にとって重要なのです。

私がモロッコを希望した理由の1つに、「イスラム文化を理解したい」という想いがありました。

『ラマダン』を経験することは、その機会だと思っています。

私は、何をどうするのか、全くわからない『ラマダン初心者』です。

話題が出るたびに、私も『ラマダン』に参加する宣言をしていました。

その度に、皆が揃って「難しいよ。初めてには無理よ。」と言われていました。

いつも優しい同僚に、否定されるなんて思ってもいない私は、驚き少しショックを受けました。

『ラマダン』が始まって、10歳前後の子どもが日によって、断食したり、しなかったりと徐々に慣らしていくことを知りました。

モロッコの大人は、何度も『ラマダン』を経験し、習慣を習得したのだと知りました。

そう思うと、『ラマダン』を難しいと言った同僚の気持ちが少しわかった気がします。

上の写真は、誰でもフトール(その日初めての食事・日没後の食事の意味)を食べることのできる会場の様子です。

様々な場所で、施しが行われています。

とても素敵な文化だと思います。

人生の中で、食事制限は病院の検査前にあったことはありますが、水も制限されるなんて初めてのことです。

しかも、ひとり暮らしの部屋の中で、断食している事を誰が証明してくれるのかな?と思っていました。

私の『やる気スイッチ』であるメイクが、『ラマダン』期間中はできません。

ノーメイクで過ごします。

ノーメイクの私を見た人は、「断食してるの?」と聞いてきます。

「そうだよ。」と答えたい私は、断食をします。

断食を証明してくれるのは、自分自身だったのです。

(ここで「神」とならないところが、イスラム教徒との違いかもしれません。)

『ラマダン』期間中の1番重要な事は水分補給です。

日没後は、オレンジジュースなどで喉というよりも体を潤し、就寝前は時間の許す限り、水を飲んでいました。

5時間くらいの間に2リットル以上の水分を補給すると、トイレとのイタチごっこになります。

睡眠時間を削ってでも、明日の自分のために今できる事を出来る限りやるというのは、初めての経験でした。

『ラマダン』期間中は同じような食事を、毎日食べました。

日によって少しずつ変わりますが、バリエーションは少ないと思います。

それだけ効率の良い食事なのではないかと思います。

右下の赤い食べ物だけは、私が独自に食べていたデザートです。

飲水で水分補給するよりも、固形物の方が保水効果が高いのではないかと工夫してみました。

その効果は不明ですが、『ラマダン』の断食・飲水しない・ノーメイクをやりきる事ができました。

『ラマダン』明けの初出勤では、みんながお祝いの言葉を掛け合い、

40度を超える日が数日あった2019年の『ラマダン』を「難しかった」「辛かった」と表現していました。

どんなに経験を積んでも、難しい・辛いと感じる『ラマダン』を共に乗り越えた事で、喜びを分かち合えて、とても嬉しかったです。

頑張ってよかったなと今は思います。

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