2019/06/12 Wed
文化
ラマダン初心者
2019年6月4日に、モロッコの『ラマダン』が終わりました。
今回は『ラマダン』期間中に、モロッコで生活していた私の体験記をご紹介したいと思います。
『ラマダン』の始まる2週間くらい前から、同僚や友達と話をしていると、いつの間にか『ラマダン』の話になります。
いつでも話題の中心になるほど、『ラマダン』はモロッコの人々にとって重要なのです。
私がモロッコを希望した理由の1つに、「イスラム文化を理解したい」という想いがありました。
『ラマダン』を経験することは、その機会だと思っています。
私は、何をどうするのか、全くわからない『ラマダン初心者』です。
話題が出るたびに、私も『ラマダン』に参加する宣言をしていました。
その度に、皆が揃って「難しいよ。初めてには無理よ。」と言われていました。
いつも優しい同僚に、否定されるなんて思ってもいない私は、驚き少しショックを受けました。
『ラマダン』が始まって、10歳前後の子どもが日によって、断食したり、しなかったりと徐々に慣らしていくことを知りました。
モロッコの大人は、何度も『ラマダン』を経験し、習慣を習得したのだと知りました。
そう思うと、『ラマダン』を難しいと言った同僚の気持ちが少しわかった気がします。
上の写真は、誰でもフトール(その日初めての食事・日没後の食事の意味)を食べることのできる会場の様子です。
様々な場所で、施しが行われています。
とても素敵な文化だと思います。
人生の中で、食事制限は病院の検査前にあったことはありますが、水も制限されるなんて初めてのことです。
しかも、ひとり暮らしの部屋の中で、断食している事を誰が証明してくれるのかな?と思っていました。
私の『やる気スイッチ』であるメイクが、『ラマダン』期間中はできません。
ノーメイクで過ごします。
ノーメイクの私を見た人は、「断食してるの?」と聞いてきます。
「そうだよ。」と答えたい私は、断食をします。
断食を証明してくれるのは、自分自身だったのです。
(ここで「神」とならないところが、イスラム教徒との違いかもしれません。)
『ラマダン』期間中の1番重要な事は水分補給です。
日没後は、オレンジジュースなどで喉というよりも体を潤し、就寝前は時間の許す限り、水を飲んでいました。
5時間くらいの間に2リットル以上の水分を補給すると、トイレとのイタチごっこになります。
睡眠時間を削ってでも、明日の自分のために今できる事を出来る限りやるというのは、初めての経験でした。
『ラマダン』期間中は同じような食事を、毎日食べました。
日によって少しずつ変わりますが、バリエーションは少ないと思います。
それだけ効率の良い食事なのではないかと思います。
右下の赤い食べ物だけは、私が独自に食べていたデザートです。
飲水で水分補給するよりも、固形物の方が保水効果が高いのではないかと工夫してみました。
その効果は不明ですが、『ラマダン』の断食・飲水しない・ノーメイクをやりきる事ができました。
『ラマダン』明けの初出勤では、みんながお祝いの言葉を掛け合い、
40度を超える日が数日あった2019年の『ラマダン』を「難しかった」「辛かった」と表現していました。
どんなに経験を積んでも、難しい・辛いと感じる『ラマダン』を共に乗り越えた事で、喜びを分かち合えて、とても嬉しかったです。
頑張ってよかったなと今は思います。
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