2019/05/24 Fri
生活
モロッコ・時間
『時間』の話というと、皆さんは「海外あるあるの”ルーズ”ってことでしょ」と思うかもしれません。
今回の『時間』はちょっと違います。
モロッコの時間はとても複雑です。
分かりにくい説明になると思いますが、お付き合いください。
(複雑な時間の中で生活しているんだとご理解いただければ嬉しいです。)
2019年は、『ラマダン』のために、5月5日(日)の午前3時(UTC+1)の時に、時間を1時間戻して、午前2時(UTC+0)に変更になりました。
(UTCは協定世界時です。)
毎年、『ラマダン』のために時間が変更になるわけではありません。
本当であれば、モロッコはイギリスと同じUTC+0のタイムゾーンに属していました。
なので、『ラマダン』の時のみ本来の時間に戻ったのです。
(これによって、日の出と日の入りは日本と同じような感覚の時間になりました。)
2018年10月、サマータイム(UTC+1)が終了し、通常の時間(UTC+0)に戻るはずが、1年を通してサマータイム(UTC+1)を継続していくことを政府が決定しました。
モロッコ着任早々の出来事で、政府が時間を決めることに不思議な感じがしました。
今後はサマータイム廃止ではなくて、サマータイムの継続なの?と疑問に思った人は私だけではないはずです。
スペインやフランスとタイムゾーン(UTC+1)が同じになって、スペインやフランスに家族が住んでいることの多いモロッコの人々にとっては都合がいいのかもしれません。
(今、スペインやフランスはサマータイムでUTC+2ですが。。。)
今のところ、 UTC+0は『ラマダン』期間(約1ヶ月)のみで、『ラマダン』終了後はUTC+1に戻る予定です。
冬にサマータイム(通常より1時間早い)で行動するとどうなるのか。
9時から始まるクラスのために、8時(通常の7時)に起きても外は暗いです。
時間は8時なのに、もう少し寝たいという気持ちでいつも起きていました。
太陽の光で、こんなにもやる気が、左右されるのだと知りました。
冬場のサマータイムはやっぱり合わないんじゃないかと思っていましたが、悪いことばかりではありません。
就業時間の17時が、通常の16時なので、アフター5に余裕があり、暗くなる前に買い物などをすることができました。
『ラマダン』中の今は、日本との時差は9時間です。
(いつもは日本との時差8時間です。)
サマータイムのない日本、サマータイムを導入したけれど廃止したグアテマラ、1年中サマータイムでも『ラマダン』は例外なモロッコ。
日本にいたら不変なものだと思っていた『時間』ですが、こんなにも臨機応変に変わっていくモロッコ、今後が気になります。
今は、携帯が自動調整で時間を変更してくれるので、何時なのかすぐ分かりますが、アナログで生活していたら、1時間早く出勤したり、1時間遅刻したり、モロッコ時間に振り回されていたと思います。
こんなに複雑なのに、周りのモロッコ人は混乱が起きることなく生活しています。
”ルーズ”ではないけれど、時間にそこまで縛られていないモロッコの人々、と私は感じています。
私が、モロッコ人を時間にルーズだと思わないのには、鉄道の普及が大きいと思います。
モロッコの鉄道は、昔は遅延が多かったようですが、今は時間通りに運行しています。
遅れる場合も、掲示板に表示されます。
5分ほどの遅れであっても、表示されるのです。
(ということは、5分は許容範囲ではなく、遅延なんです。)
電車に乗るために30分前には駅に行きなさい、と教えてくれるモロッコ人もいます。
交通手段がバスのみだったグアテマラでは、時間通りに行動することは難しく、遅刻を責める人もいなかったのですが、
時間通りに行動できるモロッコでは、時間を守るという意識を感じます。
いつでもカフェ休憩があったり、線路の敷地内に羊を放牧しているというような、ちょっとゆるゆるなところがあるモロッコです。
電車の遅延理由に「羊」があるんじゃないかと思っています。
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