JICA海外協力隊の世界日記

マラウイ湖の魚は大洋の夢を見るか

Qちゃんのマラウイ訪問②〜マラソンイベント編〜

2015年7月11日。マラウイオリンピックディでもあるこの日、マラウイで初めての国際スポーツ大会となる、マラソンとランニングイベントが開催されました朝6時、スタジアムで受付が始まり続々と参加者が集まってきます。お揃いのTシャツを着た子供たち。そして私がQちゃんと一緒に訪れた職業訓練校からも生徒が来てくれていました。全部で200人くらいは集まっていたでしょうか。協力隊員やJICA職員、大使館関係者など日本人も50人くらい集まっていました。

まず最初はマラウイで初めて行われるフルマラソン。近隣諸国から招待したというマラソン選手が20人ほどスタートラインに並び、スタートの合図が鳴り響きました。警察の誘導や交通封鎖も何とか行われたみたいで、選手も無事にゴールしていました。優勝したのはジンバブエの選手でした。

次は一般人が参加するランニングイベント。レースではなく楽しんで走ろうというFun Runです。お揃いのTシャツを着てスタートラインに並んだ子供たちの前にQちゃんが出て準備体操。待ちきれない子供たちは今にもスタートラインを踏み越えそうです。スタートの合図が鳴り響き、マラウイ人も日本人も大人も子供も一緒に走り出します。(5kmと言われていましたが実際に測ると6.2kmだったみたいで。こういうところはマラウイですね。)笑顔で駆け出す子供たち。運動靴を履いている子は少なく、パンプスやサンダル、裸足で走る子もいます。5km(6.2km)が思ったよりも長く、全力で駆け出した後、すぐに歩いてしまう子もいました。それでもみんな完走。疲れを少し見せながらも充実感たっぷりの表情でした。Qちゃんも最後までみんなを応援してハイタッチをしたり子供たちと手を繋いでゴールまで一緒に走っていました。

その後5000m走や1500m走、健常者・障がい者それぞれの800m走などのレースや、障がい者スポーツの体験会(アイマスクを用いて視覚障害者の体験をして伴走者の声を聞きながら走る実演)が開催されました。障がい者スポーツの体験会に協力隊員も参加でき、マラウイ人参加者ともコミュニケーションが生まれていました。障がい者のためのスポーツ競技もあるということが少しでも広まるきっかけになってくれたらいいなと思いました。

イベントの最後の挨拶でQちゃんが参加者に伝えていたのもきっかけという言葉でした。走るというスポーツがある。スポーツ選手という職業がある。障がい者のためのスポーツがある。そして世界にはオリンピックというスポーツの祭典がある。オリンピックを知らないマラウイの子供たちがぼんやりとでもいいから何かスポーツについてイメージするきっかけ。今回のイベントはそのきっかけとなる最初の一石になったのではないでしょうか。

マラウイにオリンピックやパラリンピックという言葉が根付くのはまだまだ先かもしれませんが、今後少しずつ歯車が動いて、2020年の東京では数多くのマラウイ選手の参加や悲願の初メダル獲得、そしてその様子を子供たちが食い入るようにテレビで眺める、といったことが起こってくれたらいいのになーと思うのでした。

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