2015/07/09 Thu
生活
アフリカでの日本車の存在感と日本人だから頼まれること
マラウイ人に、「日本知ってる?」と聞くと「うん。まぁ。」であったり「いや、知らんわー。」といった余りはっきりとしない返事を聞くことがほとんどである。
それを「TOYOTA知ってる?」というと目を輝かせて「もちろんだ!」「そうかTOYOTAはジャパンだなー。後はなーNISSANだろ!」と食いついてくる。それもそのはず。マラウイを走る車の80%は日本車なのだ。
その中でも特に目立つのがTOYOTA車。オフロードを走る四駆、ミニバスとして使われるハイエース、そして意外とVitsなどの小型車も町を走っているのである。大都市にはTOYOTA MALAWIの店舗もある。市民の交通手段である乗合のミニバスは中古車を使っていることがほとんどであり、車体に○○工務店と書かれていたり、○○デイサービスと日本語が書かれている。どれも、え、こんなボロボロでちゃんと走るの?と疑ってしまうくらいドアがガタガタであったり座席が外れていたり。1回どころか2,3回廃車になってるんじゃないかと思う。でも、不思議と走れるのだ。日本の厳しい車検は何だったのだろうかと時々思ってしまう。
そのように「車=日本」のイメージは良いし、日本車を褒めてもらえると嬉しい。
しかし、「車=日本人」と思われるとそれは少し違ってくる。
私が配属先に派遣された初日。いきなり同僚から「車を買いたいんだけど税金が高くて。君は日本人だから安く買えるだろ。お金は出すから代わりに買ってくれない?」と言われたり、院長の秘書に、「日本人なの!私の車、CDが聴けなくなっちゃって。見てくれない?」と言われたり。
何でも、前述したTOYOTA MALAWIで海外用の新車を買うとものすごく高いため、インターネットや中古車販売店を通して日本の中古車を買うことが多いらしい。そのため説明書やオーディオ機器が全て日本語表記となり、何かあったら日本人に聞いてみようかとなるのだ。
よく見られるのが「カードを挿入して下さい」「地図カードを確認して下さい」などの表示。
もちろん読めはするけど、カードがないのでどうしようもなかったり、オーディオともどう関係しているのか分からないから、結局適当にいじってみるだけになる。
極め付けは昨日、病院でいつも通り働いているといきなり携帯に知らない番号から電話がかかってきた。「マラウイ軍の○○だ。日本人がこの病院にいると聞いたんだけど、今いるか?ちょっと来てくれないか?」とのこと。
軍?何?私何かした?と思いながら病院のゲートを出ていくと迷彩の軍服を着た男性が駐車場に立っている。
そして、「車を買ったが、ラジオが聴けないんだ。販売店の店員が君の電話番号を教えてくれて。」
「。。。は?」
そしてお決まりの「カードを挿入して下さい」表示。そして全く反応しないボタンたち。
中古車販売店の店員さんとは確かに友達の友達という薄い繋がりがあるけど、いやいや何で私に投げて来るんだよ。てゆうか店で責任を持ってよ。
日本車の快進撃は日本人としてとても嬉しく頼もしい。ただ日本人だから車について知ってる訳では全くないよ。と思いながらも、ここまで代名詞として広まり、日本人ということで車について聞かれるのであれば少しは知っておいた方がいいのかなとも思うのでした。
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