JICA海外協力隊の世界日記

マラウイ湖の魚は大洋の夢を見るか

首都に住む今ドキの若者の生活と女の子たちが憧れる文化。

私の勤める病院には10人の理学療法インターンたちが働いています。人口の1%と言われる大卒で、現在一年間政府系の病院で有給のインターンを行っている彼ら彼女たちはいわゆるエリートであり、英語もペラペラで服装もお洒落です。特に女の子たちは月に一度髪型を変えたり、着ている服も次々と変わります。

都市部では意外と物価が高いマラウイで彼女たちはどのような生活を送っているのかとても気になったので色々聞いてみました。

まずは気になる給料から。給料は基本月400$ほど。一人当たりGNIが250$(一年に国民一人当たりが産み出した財)、学校教員で月200~250$、地方の農家だと月50$くらいの収入なので、やはり相当高いと思います。

一般のマラウイ人よりは高いと思われる給料ですが、彼女たちは少ないと思っているそうです。通常の勤務は平日のみなのですが、休日に出勤すると一日につき7$ほどの手当てが出るということで、休日に出勤することもあるそうです。

住んでいる家は首都リロングウェ中心部よりミニバスで30分と少し離れた集落の中にある家です。家賃は月に150$。家賃を浮かすために3人でシェア生活をします。親戚の家に住まわせてもらっている人もいて、一人暮らしはやはり厳しいし、そもそも一人暮らし用の家がなかなかないそうです。

リビング、ダイニング、そしてそれぞれの個室とシャワー、トイレがあり、塀やバーグラーバーという防犯の柵が付いた家はだいたい私たち青年海外協力隊の家と同じ環境でしょうか。

iPadやMacではないもののタブレットやノートパソコンを個人で持つ人も多いのですが、マラウイで買うと高いらしく、南アフリカに行く人に買って来てもらったり友達から買ったりしているそうです。

休日に一緒に買い物に行くと、南アフリカ系のショッピングセンターや中国ショップで悩みながらも80$のカーペットや300$のパソコンを買っていましたが、しょっちゅう来れる訳ではなく、節約して節約して、その後にほしいものを順番に揃えていっているみたいです。「今何が欲しいの?」と聞くと、「いっぱいあり過ぎるわ。欲しい物リストがあるくらい。」と言っていました。洗濯機に布団カバーなど生活用品にやはりパソコン、スマートフォンなどの電子機器、そして最大の憧れは車だと言います。服も古着や誰かからもらったものが多く、持っている物や生活は一見華やかなものの、鞄をボンドで直しながら使っていたり、セールの日を見極めてさらに値段交渉したりと、なかなか苦労や工夫をしつつ目指す生活に近づけていっているといった印象です。

そんな彼女たちが今はまっているものが何と「韓国ドラマ」なのです。

アジアだけでなくアフリカでも流行っているとは恐れ入りました。

特に流行っているのがBoys over Flowers(花より男子、元は日本なのに、、、)らしく、韓国ドラマは長いけど、面白い、ときめく、かっこいい、らしいです。

そして最近はドラマの中の世界に影響を受けて韓国料理店に行ってお箸を使ってみたり、サウナに行ってみたりしている彼女たち。しかし、イメージするサウナはいわゆるチムジルバンでテーマパークみたいな大きなサウナ。一方マラウイにあるサウナはホテルに併設するジムの一角にあり、狭く熱い部屋でただ座っているだけ。行ってはみたものの何か違ったと言っていました。

ちょうど日本の高度経済成長の頃のような冷蔵庫、洗濯機の後の自動車、クーラー、カラーテレビという目指す暮らしがあり、それに向かって働く若者たち。ただそれが国民全体ではなく、地方では電気も水道もない家が多く残っており、現金収入がほとんどない国民もいます。そしておそらく政治家などの超上位所得層や外国人が豪邸で豪華な生活をしているのでしょう。

それにしてもアジアを席巻した後アフリカにも広がる韓国ドラマという文化はやはりすごいなぁと思いながらも、日本の文化も何か流行ってくれたら嬉しいなとも思うのでした。

SHARE

最新記事一覧

JICA海外協力隊サイト関連コンテンツ

  • 協力隊が挑む世界の課題

    隊員の現地での活動をご紹介します

  • JICA 海外協力隊の人とシゴト

    現地の活動・帰国後のキャリアをご紹介します

  • 世界へはばたけ!マンガで知る青年海外協力隊

    マンガで隊員の活動をご紹介します

TOPへ